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<陸上競技>スタートランプ活用して 聴覚障害を抱える仙台の生徒訴え「公平な勝負を」

色で合図を知らせるスタートランプ(日本聴覚障害者陸上競技協会提供)
陸上の練習に励む長谷川さん(右)=角田市陸上競技場

 聴覚障害を抱えながら陸上競技に励む生徒が、光の色で出走を合図するスタートランプの活用を訴えている。宮城県聴覚支援学校(仙台市)中学部3年の長谷川翔大さん(15)。一般生徒との競走で出遅れた体験を踏まえ、「後輩に同じ思いをさせたくない」と普及に期待する。

 ランプは選手の足元に置いて使用する。赤色が「位置について」、黄色で「よーい」、白色で「スタート」のサイン。ピストルでの合図と連動し、時間差がない。
 ランプは聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」などで使われている。国内では2017年5月に秋田市内で初めて使われた。日本聴覚障害者陸上競技協会が2台を所有している。
 長谷川さんは生まれつき耳がほとんど聞こえず、障害2級の障害者手帳を持つ。角田市の自宅を離れて学校の寮で暮らし、陸上部に所属する。18年には東北地区ろう学校体育大会の男子200メートルで大会新で優勝し、宮城の総合優勝に貢献した。
 健常者との競走ではピストル音が聞こえにくく、不利になることもある。18年6月の仙台市中学校総合体育大会で長谷川さんは100メートルに出場したが、出遅れて悔しい思いをした。
 ランプの存在は、時折指導してもらっている仙台大の職員佐々木琢磨さん(25)から教えてもらった。協会に依頼してランプを借り、翌月あった県中学校総合体育大会で使用してもらった。その結果、長谷川さんは準決勝に進み、100メートルで11秒88の自己ベストを記録した。
 長谷川さんは「周囲がざわざわしていると、補聴器を着けても合図が聞こえない。ランプは見るだけでよくて集中できる」と話し、「頑張っている後輩のためにもランプを使ってほしい」と望む。
 佐々木さんは17年、トルコであったデフリンピックの400メートルリレーで優勝した経験もある。「豊かな国と貧しい国の選手で格差があるため、世界大会では選手が補聴器を着けず、ランプを使っている。同じ条件で勝負するのにランプは必要だ」と強調した。


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2019年02月09日土曜日


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