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<強制不妊国賠訴訟>全国初の原告尋問「早く謝罪と補償を」 仙台地裁

 旧優生保護法(1948〜96年)下で繰り返された強制不妊・避妊手術で、宮城県の60代と70代の女性2人が国に計約5000万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が8日、仙台地裁であり、60代女性の義姉と70代女性本人の尋問が実施された。同法を巡る一連の訴訟で尋問は初めて。中島基至裁判長は国の追加主張の内容次第で、3月20日の次回弁論で結審する方針を示した。
 60代女性には1歳で受けた口蓋裂(こうがいれつ)手術の麻酔の影響で知的障害がある。15歳時に遺伝性知的障害を理由に不妊手術を受けた。
 兄の妻に当たる義姉は結婚後、女性の母から「(女性は)子どもができない手術を受けた」と告げられたと証言。「手術のことは義妹の兄弟も知らなかった。女同士だから事実を知っておいてほしかったのだと思う」と述べた。
 国が手術を推し進めた実態を知るにつれ、「なぜ手術を受けなければならなかったのか」との疑念が怒りに変わったと強調。国家賠償法に基づく個別請求は当時もできたとする国側の主張に対し、「(障害者差別が根強かった)時代背景からして提訴は無理だった。義母は悔しかったはずだ」と反論した。
 70代女性は旧法廃止翌年の1997年から被害を訴え、国に謝罪と補償を求めてきた。「友達の家には子どもや孫がいる。こんなにぎやかな家庭がよかった、とうらやましく思う」と心中を吐露。「手術を受けた人は高齢になっている。早く国に謝罪と補償をしてほしい」と訴えた。
 国側代理人から「訴訟を起こすために活動を続けてきたのか」と問われ、「いいかげんに(問題を)片付けられては困るんです」「ずっとそういう(差別的な)扱いを受けてきたんですよ」と涙声で感情を高ぶらせる場面もあった。


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2019年02月09日土曜日


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