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<震災7年11ヵ月>被災地の「今」考える 東北学院大生が暮らしぶりを取材、報告書に

報告書を開きながら若生市長(手前)に調査の成果を報告する学生たち

 東北学院大で地域教育科目「地域の課題」を履修する学生が、東日本大震災を機に富谷、多賀城両市で始まった市民活動や被災者の暮らしぶりを取材した成果を、調査報告書にまとめた。住民の聞き取りと現地調査を基に、震災後の「地域の今」について考察した。
 教養、経済、経営3学部の2、4年生7人は富谷市成田で毎月開かれている交流イベント「Naritaマルシェ」を担当した。
 2018年10月以降、小学生〜50代の住民19人からマルシェへの思いを聞き、子どもの学用品を譲り合ったり昼食を一緒に作って味わったりする活動を体験した。
 マルシェは、震災時に住民が支え合った体験を地域づくりに生かそうと、12年に始まった。報告書は「もう一つの家のような存在」などと紹介。「住民のつながりをつくる活動は、困った時に助け合う環境にもつながる」と意義を記した。
 学生らは1月30日、富谷市役所を訪れ、若生裕俊市長に調査結果を報告。市長は「多世代の人が自然体で活動しているのがマルシェの特徴。学びの成果を実践してほしい」と激励した。
 経営学部2年の菅野竜真さんは「地域のつながりをつくる活動に自分も関わりたい」と意欲を語った。
 工学部の2年生4人は多賀城市の宮内災害公営住宅を訪問。60〜80代の入居者5人から生活の様子を聞いた。
 入居者からは「高齢化が進み、入居者同士のコミュニケーションも不足している」との指摘が出たという。報告書では「外出を支援する交通対策を」「市内の災害公営住宅の自治会同士で情報交換したらどうか」と提言した。
 学生の一人は「被災者の生の声を聞き、震災を人ごとのように思っていた自分を恥じた。震災が身近な問題であることを実感した」と感想を書いた。
 報告書はA4判、105ページ。一連の調査は、東北学院大地域共生推進機構の本間照雄特任教授(福祉社会学)らが指導。両市職員らが協力した。


2019年02月10日日曜日


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