秋田のニュース

<秋田・弁護士殺害国賠訴訟>13日控訴審判決 臨場した警官2人の過失焦点

津谷さん宅で事件当時の状況を再現する遺族側の弁護士

 秋田市の弁護士津谷裕貴さん=当時(55)=が2010年11月、自宅で菅原勝男受刑者(74)=殺人罪などで無期懲役=に刺殺されたのは警察官の不手際が原因だとして、遺族が秋田県と菅原受刑者に慰謝料など計約2億2300万円の国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が13日、仙台高裁秋田支部(山本剛史裁判長)で言い渡される。一審秋田地裁判決は県への請求を棄却しており、通報で駆け付けた警察官2人の判断や対応に過失がなかったかどうかが焦点となる。
 控訴審で遺族側は、警察官が津谷さん宅に到着してから逮捕までに2分25秒の時間があったとの県警側の主張を基に、事件当時の再現実験などを実施。「津谷さんを安全な場所に避難させ、助けることは可能だった」と県警側の過失を強調した。
 現場で2人の警察官の間に指揮命令がなかったことや、臨場した際に警察だと名乗らずに津谷さんを拘束し続けた点なども過失として指摘した。
 県側は新たな主張はせず、「原告の主張は単なる臆測にすぎず、裏付ける証拠もない」と反論。「警察官の行為に違法性はなく、過失も認められない」と控訴棄却を求めた。
 遺族側が5日に開いた報道機関への説明会で、津谷さんの妻良子さん(61)は「一審の判決理由は情けなく、あぜんとした。遺族も納得できる理由で、正義を貫いた判決を出してほしい」と語った。
 17年10月の一審判決は、臨場した警察官の状況認識などには問題があったとしながらも、秋田県は凶悪事件の発生が少なく突発的な事案に対応する訓練が十分でなかったことなどを挙げ、「警察官の不法行為を認めることはできない」として県に対する請求を棄却。菅原受刑者に約1億6480万円の支払いを命じた。
 事件の確定判決によると、菅原受刑者は10年11月4日早朝、離婚を巡る裁判で元妻の代理人だった津谷さんに恨みを持ち、拳銃や剪定(せんてい)ばさみを改造した刃物を持って津谷さん宅に侵入。駆け付けた警察官が津谷さんを犯人と間違えて取り押さえた隙に刃物で突き、死亡させた。


関連ページ: 秋田 社会

2019年02月11日月曜日


先頭に戻る