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<松川事件>福島大、「世界記憶遺産」の年内申請を断念 ユネスコ制度改革で来年以降申請へ

 戦後最大の冤罪(えんざい)事件とされる「松川事件」の関連資料を保管する福島大は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)への登録申請を、事件発生から70年に当たる年内を断念し、来年以降を目指すことを明らかにした。資料の保管や研究体制は強化し、迅速に申請できるようにする。
 ユネスコ側の対応が理由。文部科学省によると、ユネスコは遺産の政治利用などを危惧。登録制度の見直しを検討中で、年内の新規登録の見送りを各国に通知したという。
 福島大は約10万点の関連資料を保有・保管する。自白を強要された裁判資料や、冤罪の証拠となったメモ、元被告の救済を求めた松川運動の記録などがある。
 保管体制は1月から新たにした。福島大うつくしまふくしま未来支援センター長の初沢敏生教授が室長に就任。他に教授2人を研究員に配置した。従来は名誉教授1人に頼っていた。
 初沢教授は6日にあった記者会見で「資料の管理保全や研究体制を強化する」と説明。ユネスコが登録申請を再開した場合、「直ちに申請できるように努力する」と強調した。
 福島大は2017年、地元のNPO法人などと連携し、関連資料のうち約400点の登録を目指してユネスコの国内委員会に申請書を送付。国内委が推薦を見送ったため、今年の再申請を目指していた。
 松川事件は1949年8月17日未明に発生。福島市松川町の東北線で列車が脱線、転覆して機関士ら3人が死亡した。旧国鉄などの労働組合員ら死刑4人を含む17人が二審で有罪判決を受けた。61年の差し戻し審で全員に無罪判決が言い渡され、63年に確定した。


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2019年02月13日水曜日


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