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燃油タンクを津波に強く 気仙沼市と地元企業、特殊コンクリ壁で外部覆う 安全性向上に期待

気仙沼湾沿いで建設が進む燃油タンク。外側を強度のコンクリートが覆う=14日午後2時35分ごろ、気仙沼市朝日町

 気仙沼市と地元の石油販売会社が、周囲を特殊なコンクリートの壁で覆って津波への強度を一気に高めた国内初の「津波対応型燃油タンク」を建設している。5月末に完成する。東日本大震災でタンクが被災して火災が起きたことから、災害対策事業の一環で建設を決めた。市は「大きな漁船が衝突しても壊れない」と安全性に期待している。
 タンクが建設されているのは、同市朝日町の「漁業用燃油施設」の敷地。貯蔵容量990キロリットルのタンク5基(いずれも直径11メートル、高さ12メートル)を設ける。タンクは石油販売の気仙沼商会が設置し、周囲のコンクリート壁は市が整備する。
 総事業費は26億円で、国のグループ化補助金や復興交付金を活用した。完成後は、気仙沼商会と市内の石油販売会社10社が共同で利用する。
 タンクの外側は緩衝材が巻き付けられ、さらに鉄筋とピアノ線で強度を高めたプレストレストコンクリート(PC)で固められる。外部からの衝撃に極めて強く、工事を担当した安部日鋼工業(岐阜市)の担当者は「頑丈なタンクが、その上によろいを着たような状態」と語る。
 PCを使った工法はこれまで、国内の給水タンクで利用されてきたが、燃料用タンクでは初めて。気仙沼商会の高橋正樹社長は「安全性を高めたタンクを活用して、気仙沼の基幹産業である漁業を盛り立てたい」と話す。
 気仙沼市では震災発生時、湾沿いにあった民間のタンク23基のうち22基が津波で流失。タンク内の重油やガソリン約1万1500キロリットルが海に流れ出た。


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2019年02月16日土曜日


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