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長崎に渡った仙台市電、66年の運行経て終着へ 最後の現役車両、老朽化進み3月引退「さよなら運行」きょう受け付け

仙台市電で活躍後、長崎電気軌道に譲渡され、3月で引退することが決まった「1051号」(長崎電気軌道提供)

 1976年の仙台市電廃止後、長崎市の長崎電気軌道に譲渡され、路面電車として使われた最後の1両が3月30日に引退する。52年に製造され仙台市電でデビューし、66年にわたり仙台と長崎で活躍したが、老朽化で維持管理が難しくなった。同社は3月に「さよなら運行」「さよならパレード運行」を行い、長年親しまれた車両の花道を飾る。
 引退するのは長崎電気軌道の車両「1051号」。仙台市電では「117号車」として活躍した。市電廃止後、長崎に渡った5両のうちの1両。同社は仙台(センダイ=1000番台)と譲り受けた昭和50年代にちなみ、5両に1051〜1055の車両番号を付けた。
 1051号は99年ごろに通常運行から退き、近年は貸し切り運行やイベント時に使われていた。東日本大震災の直後は車内に募金箱を設置し、30万円を被災地に届けた。長崎市民の激励メッセージを車体に掲示して走ったこともあった。
 元仙台市電の車両で唯一の現役だった。1052号は約20年前に解体され、1054、1055号は海外などに譲渡された。1053号は2002年から旧秋保電鉄の秋保温泉駅跡(太白区)に保存されている。
 長崎電気軌道は「動く電車の博物館」として、他都市の歴史ある車両を譲り受け、動態保存してきた。現在は5両を保有するが、維持管理の負担が大きくなり、元仙台市電、元東京都電、元箱根登山鉄道の3両の引退に踏み切ったという。
 3両は車体や部品にアスベスト(石綿)が使われている可能性があり、さらなる譲渡や売却ができないため、引退後は解体する。
 1051号のさよなら運行は3月23日。長崎市中心部の浦上車庫−蛍茶屋間で計4便を走らせる。さよならパレード運行は30日で、3両が市中心部で最後の雄姿を披露する。
 さよなら運行の乗車は申し込みが必要。2月16日午前10時から同社ホームページで受け付ける。各便先着30人。
 同社経営企画室の白倉一さん(32)は「仙台市電から譲り受け、今日まで長く活躍した車両を手放すことは苦渋の決断だった。最後の雄姿が見られる機会をつくり、東北への感謝の気持ちを表したい」と語った。


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2019年02月16日土曜日


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