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東北の中小にネットで新風 水産加工「ヤマウチ」専務が制作会社 カメラマンやEC運用経験生かす

温故見新の事務所で作業をする山内専務

 水産加工会社ヤマウチ(宮城県南三陸町)の山内恭輔専務(43)が、映像・ウェブコンテンツ制作会社「温故見新」(仙台市)を設立し、東北の中小企業の情報発信を手助けしている。東京でプロカメラマンとして働き、ヤマウチ入社後は電子商取引(EC)事業を成功させた。幅広い知識と経験を生かし、「ネット活用に消極的な東北の風土を変えたい」と精力的に活動する。

 山内専務は南三陸町出身で北海道の大学を卒業後に上京し、プロカメラマンとして活動。2004年に帰郷してヤマウチでECを始め、独学で年間売り上げ数億円の事業に成長させた。写真や動画の撮影、ECサイト運営に関する高い技術を持つ。
 16年7月に温故見新を設立。山内専務が商品写真の撮影やECサイトの改良、ウェブの文章の書き方などに加え、検索エンジンの上位に表示させるSEO対策など高度な技術を要する依頼にも対応する。
 顧客は東北の農水産業の生産者や中小企業で、約100社に上る。大手や首都圏の企業の依頼は断っている。農産物のネット販売業者や伝統工芸品製造会社、建築事務所などのECサイトやホームページを手掛け、売り上げや問い合わせ件数の増加につなげた。
 成果物を納めるだけでなく、ノウハウも提供することが同社の特徴だ。長期間を費やして撮影やサイト運用の技術を指導する。山内専務は「外注せず、社員に任せられるのが一番いい。その会社が持つ機材や環境に合わせた方法を教えている」と話す。
 ヤマウチは東日本大震災で店舗や工場が被災。ECも2年ほど休止した。山内専務は事業の再建に合わせ、ITを導入して業務の効率化を進めた。自身もビデオ通話で社内外の打ち合わせなどをこなし、温故見新との両立につなげている。
 全国のEC事業者と交流する中で、東北の企業がネットの活用で遅れていると感じることが多く、事業者の勉強会も運営する。山内専務は「仕事を通じてネットに強い人材を多く育て、東北の企業を応援していきたい」と語った。


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2019年02月19日火曜日


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