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<震災8年>被災地の人口推計 沿岸部で減少幅大きく 首長、危機感強める

 東日本大震災の被災地が深刻な人口減少に直面している。子どもを生み育てやすい環境を整え、魅力あるまちづくりを進め、いかに減少を食い止めるか。被災地のリーダーたちは想定を上回る人口減少に危機感を強めている。

 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による2045年までの岩手、宮城両県沿岸部の人口推計はグラフ、大型表の通り。福島県については市町村別推計を行っていない。
 岩手県沿岸部は震災前年の10年の約27万4000人に対し、45年の推計は約13万人少ない約14万4000人とほぼ半減する。10年を100とした場合、45年の県全体の人口は66%だが沿岸部は53%で、減少幅は13ポイントも大きい。
 仙台市を除く宮城県沿岸部は10年は約66万3000人だったが、45年は34%減の約43万9000人。県全体の減少幅(23%減)より11ポイント高い。
 河北新報社が実施した首長アンケートで人口減少対策を尋ねたところ、厳しい意見が相次いだ。陸前高田市の戸羽太市長は「現状ではなかなか打開策を見いだせない」と吐露。宮城県南三陸町の佐藤仁町長は「財政への影響や地域の活力が衰退する懸念がある」と将来への不安を記した。
 大船渡市の戸田公明市長は「復興の根本に関わる生産年齢人口の減少にどう立ち向かうか。いかに少子化に歯止めをかけるかといった課題に取り組む必要がある」と指摘。結婚支援や子育て支援などを重視し、出生数を増やして自然増を目指す。
 「出産、子育て分野は国の積極関与が必要」と訴えるのは気仙沼市の菅原茂市長。「各自治体による地方創生の切磋琢磨(せっさたくま)が望ましい」とも主張し、地域の魅力を高めて人口流入を促す社会増を視野に入れる。
 福島県広野町の遠藤智町長は「ファミリー世代の増加を図ることが最重要課題」と強調。住宅施策や企業誘致、子育て支援に重点を置く。
 仙台圏は45年の人口減少率が県全体より小さい。名取市、利府町は100万都市仙台のベッドタウンとして、逆に人口が増える見通しだ。七ケ浜町の寺沢薫町長は「このエリアは都市部への人口回帰が進むと思われる」と推測する。
 仙台市の郡和子市長は、東京圏への人口流出を懸念。「雇用の確保につながる地域経済の活性化、若者の地元定着に結び付く取り組みを進める」と回答した。


2019年02月20日水曜日


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