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<仙台市役所建て替え・論点>(1)立地/現庁舎の敷地内 現実的

老朽化が著しい現在の本庁舎。約10年後に建物の耐用限界が迫る=仙台市青葉区国分町3丁目

 仙台市は老朽化した市役所本庁舎(青葉区)を建て替える。昨年8月に基本構想を策定し、新庁舎の建設地を現庁舎の敷地内と決定。12月には有識者の基本計画検討委員会を設置し、規模、配置、機能などを検討している。市民が使いやすく、仙台の新たなシンボルとなる本庁舎はどうあるべきか。基本構想や検討委の議論などから主な論点を整理する。(報道部・長谷美龍蔵、田柳暁、横川琴実)

 現本庁舎は1965年10月に建設され、築53年を超える。1889年の市制施行後、3代目の本庁舎で、事務室として使用する市内各地の市庁舎の中で最も古い。

<耐用年数が限界>
 1996年の耐震診断で「震度6強の地震で倒壊する危険性がある」と判定され、市は2004年、10年後の建て替えを表明した。しかし、財政難のため06年に方針を凍結し、耐震補強による「延命」を図った。
 東日本大震災では倒壊こそ免れたが、設備などが損傷し、修繕費は約2億円に上った。復興事業に対応する事務室が不足、周辺の民間ビルを賃借してしのいだ。現在、市役所機能は本庁舎を含め11カ所に分散する。
 市は17年1月、改めて建て替えを表明した。決定打は鉄筋コンクリートの耐用年数。本来アルカリ性のコンクリートの中性化が進行し、29〜30年には限界を迎え、強度が著しく低下するとの試験結果が出た。
 残された時間はあと10年余り。市は17年10月、建て替え基本構想の策定に着手し、建設地の検討に入った。候補には「県庁南側の勾当台公園(A)」「市役所南側の市民広場(B)」「現庁舎の敷地内(C)」−の3案が挙がった。

<短い工期を重視>
 有識者の検討委員会は18年5月、「現庁舎敷地内の建設を基本」とするよう市に提言した。工事期間が比較的短く、市民広場のイベント開催への影響が小さいなどの利点が重視された。
 勾当台公園と市民広場の2案は、定禅寺通との相乗効果でにぎわい創出を期待できるが、保存樹林の移植や都市計画変更に時間を要することが課題とされた。
 市は最短で20年度に新庁舎の設計を始め、23年度に着工するスケジュールを描く。工事期間は約2年8カ月を見込み、引っ越しを経て27年度に利用を開始する。
 市本庁舎建替準備室の菅原大助室長は「現庁舎が使えるタイムリミットを考えれば、現在地以外で建て替えするという選択肢は現実的でない」と話す。


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2019年02月21日木曜日


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