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<津波防災地域づくり法>22メートル以上の津波、浸水面積は震災超え 福島県が最大級の事態想定

 福島県が津波防災地域づくり法に基づき、考え得る最大級の津波による浸水想定の設定に向け具体的な準備に入ったことが20日、分かった。関係者によると現時点の速報版で津波は最大水位22メートル以上で、浸水面積は東日本大震災を超える。岩手、宮城を含む震災の被災3県で初の設定となる可能性がある。
 最悪の事態を条件とするため、被害想定が復興まちづくりで前提とした範囲を超える地域もあり、早急な避難態勢づくりが求められる。県は「地元自治体などと調整がつかず、公表時期は未定」と説明する。
 県は国の手引に沿って過去の津波地震や発生が予想される地震などを調査。最大級の津波は1000年に1度程度とされる東日本大震災の断層モデルと、茨城県が津波浸水想定で活用した房総沖を波源とする茨城県モデルを選ぶ方向で検討中という。
 関係者によると、県がまとめた速報版では県内の海岸を14地域に分けて津波を想定。海岸線の最大水位は高い地域で約22メートル、低い地域でも約11メートルに達する。
 浸水想定は満潮時や地盤沈下、堤防の倒壊など最悪の条件が前提のため、浸水域は多くの地域で2011年の震災を超える。県全体では約1万4000ヘクタールと震災時の約1.3倍になる。
 想定が固まれば、自治体は避難計画の見直しなど津波対策強化を迫られる。いわき、南相馬両市は独自の想定でハザードマップを策定しており、内容の再検討も求められそうだ。
 津波防災地域づくり法に基づく被害想定が多くの復興まちづくりの前提と異なることに、地元には戸惑いも広がる。原発事故で避難指示が出された自治体の幹部は「住民の帰還意欲に影響しかねない」と公表を懸念する。
 福島県河川計画課の担当者は「住民への情報提供の在り方を含めて協議していかなければならない。浸水想定は(人命や地域に関わる)リスク情報で、できる限り早期に公表したい」と話す。
 国土交通省によると、同法に基づく津波浸水想定は既に35道府県が公表。福島とともに東北で未公表の岩手、宮城両県は、内閣府が進める日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルの検討状況を見極めている。

[津波防災地域づくり法]東日本大震災を教訓に津波対策強化のため制定された。2011年12月施行。知事は建物の建築制限などを行うエリアを「特別警戒区域」「警戒区域」に指定できる。都道府県に津波浸水想定の設定・公表を、市町村には地域づくり推進計画の策定を求めている。人命最優先を背景に、浸水想定は最悪のシナリオを前提にしている。


2019年02月21日木曜日


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