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<自治体職員採用>東北、民間試験にシフト 負担減で志願者確保へ

 職員採用試験の筆記テストで「公務員試験」をやめる市が東北で目立ってきている。全国どこでも受けられ、学生らの準備の負担が比較的小さい民間試験に変更し、減少傾向にある志願者の確保を狙う。採用日程を民間企業への就職活動期に前倒しするなどの工夫もあり、2018年度に導入した黒石市は受験者が前年の2.4倍に増えた。
 東北の自治体では黒石市のほか、大仙市が19年度から民間試験を導入する。むつや気仙沼、白石、秋田、会津若松、郡山の各市も一部の試験区分を既に民間試験にしている。
 いずれもリクルートマネジメントソリューションズ(東京)が提供する就職採用テスト「SPI3」を使う。能力検査と性格検査から成り、幅広い知識量を要求する公務員試験に比べ、基礎的な読解力や計算力を重視する。各都道府県にあるテストセンターで受けることができ、どの自治体を志望していても任意の受験場所を選べる利点もある。
 黒石市の大卒程度の受験者数の推移はグラフの通り。減少傾向が続いていたが、18年度は106人で17年度から62人増えた。
 1次試験はこれまで9月ごろ行っていたのを18年度は5〜6月に繰り上げた。同市の担当者は「優秀な民間志望の学生が動いている時期に採用活動ができる。受験者は全国に広がった」と手応えを語る。
 公務員試験の合格には一定期間の勉強が必要とされ、志望する大学生が専門学校に同時に通うケースも少なくない。
 公務員試験の1次試験日程が近隣の自治体で重なると、人口規模の小さい市町村は受験者確保に苦戦する傾向もあるとされる。国や都道府県を交えた人材の奪い合いも激化しており、民間志望者に触手を伸ばす流れになっている。
 大仙市は19年度から初級、中級、上級の全3区分の1次試験をSPI3に切り替える。採用予定は35人。老松博行市長は「民間志望者が市役所も受けてみようかなという感じで受験できる。受験者の減少傾向を何とか打開したい」と力を込めた。

[公務員試験]大卒程度の学力試験は教養試験と専門試験から成る。教養試験は数的処理や文章理解、人文科学、社会科学、自然科学と出題範囲が広い。専門試験は行政事務系、技術系などに分かれる。財団法人日本人事試験研究センター(東京)の作成した問題を用いるケースが多く、大部分は試験会場が各自治体内に設定される。


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2019年02月21日木曜日


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