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<原発事故集団訴訟>住民「帰還諦めた」 仙台高裁本人尋問

 東京電力福島第1原発事故を巡り、福島県と宮城など隣県の住民約3650人が国と東電に空間放射線量の低減による原状回復と、それまで1人月5万円の慰謝料の支払いなどを求めた訴訟の控訴審で、仙台高裁は22日、原告への本人尋問を実施した。男女3人が、事故がもたらした生活の苦しみを訴えた。
 このうち、福島県浪江町で被災した70代男性は事故後、郡山市に移住する娘夫婦と同居か帰還かの話し合いを重ねたと明かし「『浪江に戻っても介護などの面倒は見られない』と娘に言われ、諦めた」と帰還断念の経緯を説明した。
 男性は浪江町で自動車整備会社を経営していたが、設備投資や顧客の確保が難しく、郡山市での営業再開を断念。「賠償金が打ち切られ、年金が唯一の収入で家計は苦しい。仕事ができず生きがいがなくなり、楽しいことは何もない」と証言した。
 本人尋問は7、9月にも各6人実施する。5月27日には高裁が福島県富岡、浪江両町で現状を視察する。
 控訴審で国と東電は約2900人に計約5億円の支払いを命じた地裁判決の取り消し、住民側は賠償期間と対象地域の拡大を求めている。


2019年02月23日土曜日


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