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<再生の針路>交流人口200万人目指す/石巻市 亀山紘市長

半島沿岸部の被災者向けに整備された防災集団移転団地「二子団地」。昨年夏、最終工区の鍵の引き渡しが始まった

 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。

◎震災8年 被災地の首長に聞く(2)

 −震災復興計画は残り2年となる。現状の評価は。

<地場産業を育成>
 「災害公営住宅の整備が3月に完了する。住まいの再建を最重要の課題として取り組んできた。ほっとしているのが実感だ。道路や橋、下水道の整備事業は遅れが出ている。着工後に工事が進まない道路や工事の止まっている橋などがあり、時間がかかっている」

 −被災者の心のケアにはどう向き合っていくか。
 「心の復興は10年で果たせない。復興期間後も継続して支援する必要がある。その意味でも(2020年度廃止の)復興庁の後継には大臣がいる組織が必要だ。国の被災者支援総合交付金は引き続き要求したい」

 −人口減で若者の流出や過疎化が深刻化している。
 「石巻らしさを残しながら新たな街づくりが必要だ。1次産業もICT(情報通信技術)や人工知能(AI)を使い、若者に夢を与えられるような産業にしていく必要がある」
 「半島沿岸部は拠点エリアを整備して終わりではなく、働く場をつくり、人を呼ばなければならない。鮎川、雄勝両地区を微細藻類科学の拠点とする構想や北上地区などの『北限のオリーブ』、好調なパプリカ栽培事業などを地場産業として広げていきたい」

 −市中心部のにぎわい創出が課題だ。

<拠点の連携課題>
 「年間200万人の交流人口を目指す。新設した防災センターや1月に着工した『ささえあいセンター』など、JR石巻駅前に公共施設を集積した。かわまち交流拠点エリアの『いしのまき元気いちば』は昨年の買い物客が40万人を超えた。あとはどう中心部を歩いてもらい、駅、かわまちエリア、石ノ森萬画館をつなげられるかだ」

 −大川小津波訴訟の上告審の判決への対応は。
 「どんな判決になっても、多くの犠牲者が出た自治体として学校防災や事前防災、防災教育に取り組まねばならない。最高裁の判断次第では(教訓を伝える)大川小旧校舎の震災遺構に対する取り組みも、ある程度踏み込まざるを得ない」

 −被災した住宅を完全に修繕できない在宅被災者も多くいる。
 「市の訪問調査で、不自由な状況で生活する市民の存在が明らかになってきている。在宅被災者のニーズは多様だ。一人一人に寄り添った対応をするため、現状をしっかり把握し、必要な政策を打ち出したい」(聞き手は石巻総局・氏家清志)


2019年02月24日日曜日


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