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帰還後の母の思いつづる 福島・伊達の原発自主避難経験者ら冊子作製

冊子の編集作業に当たる自主避難経験者のスタッフら=1月31日、伊達市の伊達もんもの家
自主避難を経験した母親らが心境の変化などをつづった手記

 東京電力福島第1原発事故で自主避難を経験した母親の交流施設として2016年にオープンした「伊達もんもの家」(福島県伊達市)が今月末で閉館する。交流員として運営に携わった避難経験者らが、帰還後の心境の変化などをつづる冊子を作製した。

 題名は「それでも福島でこどもを育てていくために」。A5判48ページで避難経験者と支援者の10人が手記を寄せている。
 手記では帰還後の経験などを通し、原発事故前や避難中と異なる考え方を持つようになったといった記述が目立つ。
 ある女性は静岡県からの帰還後、子育てサークルや放射線の勉強会への参加を継続した。仲間と悩みを語り、疑問や不安を自ら調べると「自然や季節の変化を楽しみながら日々を送れるようになれた」と記す。
 山形県から帰還した新井芳美さん(36)は施設スタッフ。原発事故後の対応に不信感を抱き続けた行政の担当者や専門家と向き合い「責めることだけでは問題の解決はできない」と感じたという。今では「伊達市でどう暮らし、どんな子どもを育てたいか必死で考えるようになった」と振り返る。
 冊子は新井さんら母親4人を中心に編集した。多くは今後、市内で子育て支援に当たる予定という。交流施設の運営責任者半田節彦さん(77)は「子を育て守る女性の力は非常に大きい。帰還後の経験を踏まえて社会で大きな役割を果たしてくれるだろう」と期待する。
 100部を希望者に無料配布する。連絡先は伊達もんもの家080(3339)0657。


2019年02月25日月曜日


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