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<仙台市役所建て替え・論点>(7)資金/初期費用は400億円規模

(左下から時計回りに)試算額を示した文書、基本計画検討委員会の会合、建て替え予定の泉区役所のコラージュ

 仙台市は老朽化した市役所本庁舎(青葉区)を建て替える。昨年8月に基本構想を策定し、新庁舎の建設地を現庁舎の敷地内と決定。12月には有識者の基本計画検討委員会を設置し、規模、配置、機能などを検討している。市民が使いやすく、仙台の新たなシンボルとなる本庁舎はどうあるべきか。基本構想や検討委の議論などから主な論点を整理する。(報道部・長谷美龍蔵、田柳暁、横川琴実)

 仙台市が昨年8月にまとめた市役所本庁舎建て替えの基本構想は、新庁舎が1棟の場合、初期費用を395億〜415億円と試算した。
 内訳は設計・建設費用が330億〜340億円、付帯・備品等費用が25億〜30億円、民間ビルへの仮移転の費用を含め、その他が40億〜45億円となっている。

<市債で大半工面>
 2棟整備は400億〜425億円と見込んだが、いずれも積算根拠は「想定面積に単価を掛け合わせた。実際と異なる可能性がある」(市の担当者)という。
 市は一部費用を賄うため、基金を造成する。市議会2月定例会には市庁舎整備基金条例案を提出した。新年度は公共施設の長寿命化に向けた既存の基金から約123億円を移す。
 新基金は本庁舎建て替えに加え、区役所や総合支所の大規模修繕に備える原資でもあり、全てを新庁舎建設に充てるわけではない。基金取り崩し分を含む一般財源のほか、大半は新たな借金である市債発行で事業費を工面する方針だ。

<積算根拠 明示を>
 市は今後、音楽ホール整備や泉区役所庁舎建て替えなども予定する。市公共施設総合マネジメントプランに基づき、コスト削減を図るが、「ハコモノ」事業が相次ぐ中、本庁舎建て替えの財源は青天井ではない。
 東北大大学院経済学研究科の吉田浩教授(財政学)は「新庁舎の必要性、求められる機能、費用などの視点から見た詳細な検討が重要。費用では積算の根拠を示すことが透明性の観点から大事だ」と指摘する。
 市は新庁舎整備で、市有の分庁舎、ビルに間借りする仮庁舎の集約も視野に入れる。吉田教授は「旧庁舎の跡地活用による資金捻出を考えるなど、(市債発行を抑えるための)多角的な財源の検討が必要だ」と述べた。


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2019年02月27日水曜日


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