広域のニュース

<宮城沖地震>実際の確率、より高いとみた方がよい/東北大名誉教授・長谷川昭氏に聞く

[はせがわ・あきら]東北大大学院理学研究科地球物理学専攻博士課程中退。東北大理学部教授などを経て2003〜08年、東北大地震・噴火予知研究観測センター長。73歳。

 政府の地震調査委員会は26日、日本海溝沿いの地震活動の長期評価を公表した。同委員会委員の長谷川昭東北大名誉教授(地震学)に地震や津波発生のリスク、東日本大震災が及ぼした影響について解説してもらった。

 震災後、過去の津波堆積物の研究が進んだ。古い時代に発生した地震や津波の場所、規模が震災前より分かってきた。今回の長期評価にその研究成果が反映された。
 発生確率は、地震の発生間隔から導き出している。最後の地震から時間が経過するほどエネルギーがたまり、確率は高くなる。
 震災の震源域ではエネルギーが開放され、マグニチュード(M)9程度の震災級巨大地震はしばらく発生しないだろうが、他の予測震源域でエネルギーが全て開放されたかどうかは分からない。
 震災の巨大地震によって、周辺の地殻に大きな力が加わったとみている。力の変化や影響は発生確率に加味されておらず、実際の確率はより高いとみた方がよい。震災の余震としてM7〜8程度の地震が起きる可能性は十分にあり、警戒がなお必要だ。
 どの場所で地震が発生しても津波を伴う可能性はあり、震源が浅いほど津波発生のリスクは高い。1〜2メートルの津波が襲来すれば家屋は流される。震災より小さい地震だからといって油断してはならない。
 震災後、国は日本海溝沿いで海底地震と津波の観測網を整備してきた。東北大でも、衛星利用測位システム(GPS)を使い、地殻変動を観測している。
 これらのデータが蓄積されれば、地震の発生メカニズムの理解が進む。得られた情報を加味できれば、地震発生確率の精度をより高めることが可能になり、緊急地震速報や津波到達予測の正確さが増す。


関連ページ: 広域 社会

2019年02月27日水曜日


先頭に戻る