宮城のニュース

<再生の針路>外郭南門の復元に着手/多賀城市 菊地健次郎市長

緊急避難・物流路として建設中の清水沢多賀城線
菊地健次郎市長

 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。

◎震災8年 被災地の首長に聞く(6)

 −現在の復興の状況は。

<縦貫2市道整備>
 「事業は着々と進んでいる。2019年度当初予算の復興分は、17年度比で半減した18年度からさらに減り、同期比19.5%減の30億6580万円になった」
 「工業団地『さんみらい多賀城・復興団地』は立地協定を結んだ11事業者のうち8社が操業し、残る1区画も交渉中だ。団地内に設ける防災拠点の備蓄倉庫やイベントスペースも19年度末に完成する」

 −残る事業や課題は。
 「市域を南北に結ぶ二つの緊急避難・物流路の市道清水沢多賀城線(977メートル)と笠神八幡線(1520メートル)だ。総事業費は計131億円。進捗(しんちょく)率は昨年11月末現在で78%。20年度に完成する。清水沢多賀城線は、国道45号から東北歴史博物館や多賀城跡へのアクセスを飛躍的に向上させる」
 「下水道事業などで他自治体からの派遣職員に頼る状況が続く。西日本豪雨で被災した広島県呉市からの派遣は18年度途中で打ち切ったが、友好都市の天童市や福岡県太宰府市などから引き続き、8人を派遣してもらえそうだ」

 −復興のシンボル、多賀城外郭南門の復元事業が動きだす。

<創建1300年好機に>
 「国の補助を受けられる見通しが立ち、多賀城創建1300年に当たる24年までに完成させたい。地域活性化の好機であり、ガイダンス施設を充実して観光にも力を入れる。官民連携の事業推進体制を整え、多様なイベントも展開する。ただ、国の予算措置次第で先延ばしになる恐れがある」

 −復興関連事業の柱として市中心部に整備した市立図書館が入る多賀城駅北ビルA棟の利用が好調だ。
 「16年3月の開館以来、19年1月末で来館者は約430万人になった。各地から視察も多く『東北随一の文化交流拠点』として定着してきた。駅前から市役所脇を通り、近くにある市文化センターに至る歩道を整備中だ」

 −復興に向けた新たな展開は。
 「市内に四カ所ある災害公営住宅の家賃の減免措置を5年延長する。11月から段階的に値上げされるのに合わせ、市が独自に補助する」
 「市長室が入る市役所東庁舎は耐震不足のため、新たに北庁舎を建て、20年度完成を目指す。市民サービス向上ため郵便局併設も検討している」
 「復興のゴールが見えてきた今、副市長を交代させて若返りを図る。4月に就任予定の新しい副市長は現職より8歳年下になる」


2019年02月28日木曜日


先頭に戻る