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<さくら野仙台破産2年>ビルの法的紛争が全て終結、再開発協議本格化か

さくら野百貨店仙台店が入っていた建物。一等地の行方を多くの市民が注視している

 さくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)の運営会社エマルシェ(同)が自己破産した問題で、同店跡地のビルのオーナーらの間で行われていた複数の調停や訴訟が全て終結したことが27日、関係者への取材で分かった。2017年2月27日の自己破産申請から2年がたち、ビル解体や再開発に向けた協議が本格化する見通しだ。
 関係者によると、一部オーナーが別のオーナーらに原状回復費用などについて仙台簡裁に申し立てた調停が今月26日、条件面で折り合い、成立した。
 他にも建物取り壊しの同意を求める調停や未払い賃料の支払いを求める訴訟などがあったが、いずれも終息している。法的紛争が解決したことでオーナーらは3月以降、解体の方法や再開発の方向性など具体的な協議に入るとみられ、エマルシェの破産手続きも同月下旬に終わる見込み。
 仙台店は八つのビルで構成され、6オーナーが所有する。このうち匿名組合が出資するさくら野DEPT仙台合同会社(東京)が最大のオーナーで、同店跡地のビルと土地の約8割を所有。他は仙台店の前身の百貨店時代からのオーナーらが分割している。
 仙台店の建物は、マンション管理にも適用される区分所有法の対象となっており、原則として建物全体の解体は全オーナーの同意が必要となる。建設関係者らによると、建物は解体に1年以上、同規模の建物を新築するとさらに2〜3年程度かかると見積もられる。
 さくら野DEPTは解体と一体的な再開発を主張している。一方、他のオーナーにはJR仙台駅前に位置する一等地の権利の確保や主体的な再開発を狙い、さくら野DEPTが主導する解体に反発する声があるという。再開発に高い関心を示す大手デベロッパーの動向も今後の焦点となる。
 商店街関係者は「水面下で見えない動きが続いている。商圏活性化のためにもできるだけ早く合意を形成し、再開発につなげてほしい」と望んでいる。

[さくら野百貨店仙台店]前身の丸光は1946年創業。2001年に親会社のマイカルが破綻し、02年に民事再生手続きを経て再建。運営社名を「さくら野百貨店」とした後、10年に「エマルシェ」に変更した。06年に売上高約200億円を誇ったが、近年は業績が悪化。建物賃料の未払いも恒常化し、負債額約32億円を抱え、17年2月に破綻した。跡地前の「青葉通」の路線価は62年連続で東北トップとなっている。


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2019年02月28日木曜日


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