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<震災8年>3.11追悼行事ピンチ 今年は平日、スタッフなど確保に苦慮

灯籠に復興への思いと鎮魂のメッセージを込めた「祈りの灯火」。今年はボランティアの確保に苦慮している=2018年3月11日、盛岡市

 東日本大震災から8年となる3月11日を前に、一部の追悼行事の主催者がスタッフなどの確保に苦慮している。過去2年は土日に重なったのに対し、今年は月曜日となるためだ。被災地では開催を週末に設定するケースもあるが、「特別な日に祈りをささげたい」と協力を呼び掛ける。
 危機感を募らせるのは盛岡市の「祈りの灯火(ともしび)」。市中心部に手作りの灯籠約1万個を並べ、犠牲者の冥福と復興を祈念する。毎年続け、規模を拡大してきた。
 「3.11」は2018年が日曜、17年が土曜になったこともあり、多くのボランティアが駆け付けてくれた。実行委員会は今年もスタッフを募集しているが応募はほとんどないという。
 灯籠の半分ほどは全国から届けられる。実行委は「最後は被災地の私たちの手で一つ一つに明かりをともしたい」と話す。
 石巻市南浜町の「がんばろう!石巻」看板前で灯籠を並べるなどする「3.11のつどい」。運営ボランティアを募っているが、実行委員長の黒沢健一さん(48)は「昨年より人員が減り、作業が大変になるかもしれない。週初めなので状況が読めない」と不安を口にする。
 被災自治体も影響を免れない。11日に追悼式を予定する宮城県南三陸町は、昨年の参列者は約950人。担当者は「今年は1割ほど減るだろう」と推測する。
 週末に比べ、平日はどうしてもスタッフ、参加者を募りにくい。震災の風化による関心の低下もある。それでも、発生日の開催に意義を見いだす声は少なくない。
 NPO法人石巻スポーツ振興サポートセンターは当日、石巻市中心部を歩く行事を予定する。昨年の参加者は約90人。センター事務局長の松村善行さん(75)は「参加者は3分の2以下になるのでは」と懸念しつつ、「開催を通じて復興状況の報告と感謝をしたいと考えている。参加者が少なくてもやりたい」と語る。
 仙台市旧荒浜小で追悼行事を続ける市民団体は、今年も午後3時15分に一斉に風船を飛ばす。団体代表の高山智行さん(36)は「3.11の民間主導の行事が減っているが、この日に訪れる人の思いを大切にしたい」と話す。
 対照的に、柔軟に日程を設定するケースも。宮城県山元町の徳本寺は例年、震災発生日に近い日曜に法要を営む。今年は10日。住職の早坂文明さん(68)は「皆さんが集まりやすいよう決めている」と説明した。



 盛岡市の「祈りの灯火」、石巻市の「3.11のつどい」のそれぞれの実行委員会はボランティアを募集している。灯火は岩手県内の企業関係者らと灯籠設置や点火、後片付けを行う。正午〜午後8時の間で参加可能な時間帯を選べる。3月9日まで受け付ける。つどいは当日の準備と設営、翌日の撤収作業。実行委の連絡先は灯火が070(6574)3493、つどいが0225(23)9638。


2019年02月28日木曜日


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