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<さくら野仙台跡地>仙台市、一部に地上権 再開発へ関与不可避

 2017年2月に閉店したさくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)跡地の一部に、仙台市が地上権を設定していることが1日、分かった。関係者によると、地上権は建物などに対する権利で、土地の所有権と同様の権限がある。ビルのオーナーらが建物解体や再開発に向けた協議を進める際、地上権者の市の関与は避けられない情勢だ。
 市が地上権を設定しているのは、市地下鉄仙台駅の出入り口付近に当たる跡地西側の一部。出入り口は17年6月下旬から閉鎖されている。土地には鉄筋コンクリート7階、地下2階の建物が立っている。
 市は1985年12月、地下鉄施設を所有する目的で地上権を設定した。権利の範囲は地上から地下にまで及び、地下鉄施設が存続する間は権利も続く。土地の所有権は、地上権設定当時の個人から別の個人へと移転した。
 市が地上権に関して設けた特約によると、建物を築造などする際には設計と工法について市の同意を得ることや、地下鉄の障害となる建物設置や掘削などをしないことが決められている。
 仙台店跡地を巡り、市はこれまで一定の距離を置いてきた。郡和子市長は17年12月の定例記者会見で「地権者間で調整するのが先だ。話し合いで支援を求められれば前面に出るが、それさえないところで、しゃしゃり出る場面ではない」と述べた。
 一方、地元の不動産関係者は「市は跡地に絡む地上権者であり、跡地の在り方を考える関係者であることは確かだ」と指摘。別の経済関係者は「仙台の顔と言える一等地を放置しておくことはオーナーだけでなく、多くの市民にとっても不利益だ」と訴える。
 今後、跡地の建物が解体される場合などの対応について、市交通局営業課の担当者は河北新報社の取材に「地下鉄施設に支障が出ないようにするため、工事関係者と設計や工法などを協議し、同意する手続きを踏んでいく」と答えた。

[地上権]民法で定められた借地権の一つ。他人の土地に建物などの工作物などを所有するため、その土地を使用する権利。地下などにも設定可能。土地の所有者が変わっても権利を主張でき、地主の承諾がなくても譲渡できる。


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2019年03月02日土曜日


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