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<再生の針路>明るい話題で心一つに/東松島市 渥美巌市長

宮城オルレ奥松島コースのオープンで来訪者が増えた東松島市宮戸=昨年10月
渥美巌市長

 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。(聞き手は石巻総局・鈴木拓也)

◎震災8年 被災地の首長に聞く(8)

 −復旧復興の進み具合をどう感じているか。

<住まい確保完了>
 「感覚的には90%まで進んだ。災害公営住宅は3月で全1101戸が完成する。防災集団移転促進事業の717区画も全て引き渡しが終わった。力を入れてきた住まいの確保が終わり、一つの区切りになる」
 「産業はノリやカキなどの生産が震災前に戻りつつある。被災農地も全て営農再開できた。生産設備を増築した企業もあり、働く場は一定の雇用を確保できた。大曲浜地区の産業団地は8割以上が入り、順調に張り付いている」

 −現在の課題は何か。
 「市内では1109人が亡くなり、24人が行方不明となった。心の復興に関するソフトの対策はハードに比べて時間がかかる。コミュニティーの再構築も同じだ。地域の見守りや支え合いに力を入れる。集まり切れていない独居老人や高齢者の掘り起こしが必要だ」

 −震災で落ち込んだ観光振興はどうか。
 「観光客は震災前が110万人で、昨年は8割近くまで回復した。宮城オルレが昨年10月にオープンし、花見や航空祭など季節ごとのイベントから通年型の観光にシフトできた。今後はモモの収穫やノリの製造、カニの籠揚げなど体験型の観光に力を入れたい」
 「4月26日に矢本海浜緑地が再オープンする。県の協力で子どもたちの遊具やパークゴルフ場が完成する。できれば6月にパークゴルフの国際大会を開き、最大限活用したい」

 −復興庁が2020年度末で廃止される。

<復興 総仕上げへ>
 「ハード事業の進め方が大事だ。基本的には20年度に合わせて終わらせる。そのために新年度から『ロングラストスパート』に入る。奥松島運動公園の復旧整備や鳴瀬桜華小の新築移転などを重点的に進めたい」

 −ポスト復興を見据えた取り組み状況はどうか。
 「人口4万の維持が大きな目標。国連が採択した『持続可能な開発目標(SDGs)』の未来都市として、SDGsをうまく使って人口減少対策につなげたい。子育て環境や働く場をさらに整え、住みやすいまちづくりを進める」
 「来年3月20日には東京五輪パラリンピックの聖火がギリシャから東松島市に到着する。復興五輪の名の下、被災した方々に元気を出してもらえる機会にする。暗い話題ではなく明るい話題で、心一つにして復興の総仕上げに入りたい」


2019年03月02日土曜日


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