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<再生の針路>観光振興図り定住促進/亘理 山田周伸町長

再建した鳥の海公園。右奥にリニューアルオープンしたわたり温泉鳥の海が見える=2018年4月

 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。

◎震災8年 被災地の首長に聞く(9)

 −震災復興計画の進行状況は。

<庁舎11月末完成>
 「138事業のうち2018年度末で約90%が完了する。役場庁舎は19年11月末までに完成する予定で、19年度中の使用開始を目指す。避難道路は一部が地権者との交渉などで整備が遅れているが、計画期間の20年度までに完了させたい」

 −国勢調査を基にした1月時点の町の推計人口は3万3101人で、震災前と比べ5%減った。
 「観光など地域資源を活用して産業振興を図り、交流人口拡大を定住促進につなげたい。同時に若い世代が安心して住めるよう子育て支援も充実させたい」

 −18年4〜12月の観光客数は17年同期と比べて4万2692人増の65万2220人だった。このうち観光拠点の荒浜地区は27万7695人で、17年より3万2330人増えた。
 「昨春、ホテル佐勘が指定管理者となったわたり温泉鳥の海がリニューアルオープンして宿泊を再開し、被災したスポーツ施設、鳥の海公園も再建された。そうした復興の進展や、郷土料理はらこ飯の魅力をPRする町の事業などが数字を押し上げた」
 「荒浜地区のマリンスポーツの拠点、町B&G海洋センター艇庫やイベントスペースなどの運営を19年度に一括して外部に委託しようと考えている。民間による一体的な運営で、地区の誘客を強化したい。鳥の海公園の周囲を会場にした新たな競技用自転車のイベント開催も計画している」

 −観光地へのアクセスで、JR駅からの2次交通に課題がある。

<貸自転車を検討>
 「駅を中心としたレンタサイクルの展開を検討したい。荒浜や亘理伊達家関連など史跡が豊富にある内陸部を巡っていただくため、町内の3駅を活用したい」

 −交流人口の増加をどう定住につなげていくのか。
 「来ていただくことで町の魅力を知ってもらう。例えば、はらこ飯の店で行列をしている方々に不動産情報を見ていただく機会をつくるなど、さまざまな方法でPRしたい」

 −災害公営住宅のコミュニティー形成の状況は。
 「入居者や地元の行政区長、民生委員らの協力でサロン活動などが行われ、良好なコミュニティーが形成されている。一方で、心の問題を抱えている被災者も少なからずいると認識しており、個別の見守り訪問活動を今後も継続したい」
(聞き手は亘理支局・安達孝太郎)


2019年03月03日日曜日


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