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<亘理・荒浜中>被災校舎の大時計を後世に 住民の思い受け活用へ

荒浜中に保管されている大時計を見る佐藤さん

 東日本大震災で被災し、当時の校舎が解体された宮城県亘理町荒浜の荒浜中にあった大時計が、現地再建された新校舎で保管されている。卒業生らは「震災の記憶と共に、時計を後世に伝えてほしい」と願っており、学校も展示方法を検討している。
 時計は直径約90センチ。校舎正面最上部に設置されていた。津波が到達して校内の電源が失われたとみられる午後3時58分を示して止まっている。
 3階建てだった旧校舎は1983年に完成した。震災の津波で1階が浸水したが、上の階に避難した住民数百人の命を救った。
 2013年に校舎の解体が始まった当初、時計は廃棄される予定だったという。捨てられることを知った荒浜在住の卒業生男性(73)が「震災時まで生徒を見守った時計を残すべきだ」と引き取り保管していた。
 荒浜の復興が進んだことから、男性は同校PTA会長を務める知人の佐藤和弘さん(45)に時計を託し、佐藤さんが今年2月、同校に持ち込んだ。
 同校の卒業生でもある佐藤さんは震災時、校庭で避難誘導していた。津波を知らせる声を聞き、慌てて校内に避難したという。
 「荒浜に大津波が来た時間を伝える貴重な時計を残してほしい。地元の風景が大きく変わってしまった中で、自分たちが通った校舎の思い出の品でもある」と佐藤さんは語る。
 荒浜中の森美紀子教頭は「防災教育に活用できるよう展示方法を検討したい」と話す。


2019年03月03日日曜日


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