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玉川温泉水から水素燃料 仙北市、実用化へ始動

温泉水にアルミを入れて化学反応させた公開実験。試験管にたまった水素に火を近づけると小さな爆発音が鳴った=2月26日、仙北市

 秋田県仙北市は新年度、市内にある強酸性の玉川温泉の温泉水から水素燃料を取り出す事業に本格的に乗り出す。水素生成装置の設計に臨み、2020年度に生成装置を製作する方針。地元産の水素燃料で観光客の送迎バスを運行するといった実用化の将来構想も描く。

 設計費は約500万円で、生成装置は実験から実用への橋渡しの役目を担う「パイロットプラント」となる。財源には国の地方創生推進交付金を充てる。
 事業は、温泉水とアルミニウムを化学反応させて水素を生成する手法の効率化に取り組む東北大大学院環境科学研究科の土屋範芳研究科長(地球工学)らのグループが担う。市は17年8月、同研究科と連携協定を結んでいる。
 中性の水は250度以上に熱する必要があるが、玉川温泉の酸性水は約50度と低めの温度で化学変化が起きる。18年11月の実験では約2時間で水素を65リットル確保できた。アルミは工場の端材を活用する。
 天然ガスや石油から水素を取り出す従来の製造法では二酸化炭素(CO2)が発生するが、この生成工程はCO2を出さず、温室効果ガスの排出抑制につながる。
 玉川温泉の温泉水とアルミを化学反応させる公開実験が2月26日に行われ、市内外から約60人が参加。装置の基本的な仕組みや生成された水素を確認した。
 市の「新エネルギービジョン」は、水素燃料と軽油を混ぜてエンジンを動かす「デュアルフューエル燃焼制御システム」の導入を目指す。玉川温泉や市内にある乳頭温泉の送迎バスなどへの活用を想定している。
 水素燃料の生成事業について、門脇光浩市長は「地域資源を活用して産業に結び付けたい」と話した。
 玉川温泉は水素イオン指数(pH)が1程度と日本国内で最も酸性度が高いとされる。源泉「大噴(おおぶけ)」からの単一湧水量も毎分約9000リットルと国内で最も多い。


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2019年03月03日日曜日


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