宮城のニュース

<仙台いやすこ歩き>(96)サバ・メシ/食を通して防災考えて

 あの日、何を食べただろう?
 そこへ行く道すがら、2人の会話はおのずと3月11日のことになった。向かっていたのは仙台市青葉区本町にある株式会社エフエム仙台。ずっと気になっていた「サバ・メシ」について教えてもらおうとやって来たのだ。
 迎えてくれたのはサバ・メシプロジェクトの4人の皆さんだ。「実は、サバの缶詰で作る非常食だと思っていたんです」と話すいやすこに、リーダーであり防災・減災プロデューサーの板橋恵子さんは「そういう人は結構多かったです。でも、そこから知っていただくことが大切」とにっこり。ホッとしたところでサバ・メシの始まりから皆さんに話を伺う。

 2006年、宮城県沖地震の発生が高確率で予測される中、「全国の防災意識調査で宮城県が低かったんです。何とかできないか…」。そこを発端に、食を通じて災害時の備えについて考えてもらおうと始まったのが「サバ・メシ*コンテスト」だった。
 「条件は、45分以内にカセットコンロ1台で作れるというもので、1回目から工夫を凝らしたレシピが集まりました」
 そして11年の東日本大震災。それまで集まっていた90以上のレシピをインターネット上にはアップしていたが、「避難所の皆さんにぜひ知ってほしいと『サバ・メシ防災ハンドブック2011(東北大・今村文彦教授監修)』を3万部作成して配布したんです」と営業部主事の山口直人さんは話す。
 これを機に、レシピと防災の最新情報を掲載したハンドブックを毎年発行。学生によるレシピ作りや親子で作るサバ・メシワークショップの開催も。アナウンサーであり防災士でもある石垣のりこさんは「小学校に赴いて防災出張教室を開き、ハンドブックを使って、今ここで災害が起きたらどうするか?を子どもたちに考えてもらいました」。サバ・メシを核とした防災活動は次々と広がっている。

 「8日には、19年版のハンドブックが発行されるんです」と、営業部副部長の伊藤朱里(しゅり)さんからはホットなニュースも。
 「大震災で、私たちは食べることの大切さを教えられました。あの経験を生かし、日頃から日持ちする食材を使い、買い足していくことで備えも兼ねる『ローリングストック』が大切。非常時でも日常食を取れると体も心も癒やされ、安心ですよね」。感動しっぱなしのいやすこに、板橋さんが教えてくれた。
 早速2人は取材場所を画伯の厨房に移して、サバ・メシを作ることに!
 冷蔵庫にあるものを基本に、ハンドブックから選んだのは3品だ。「生姜(しょうが)ごはん」はやきとり缶に替えてツナ缶を使い、「凍(し)み豆腐のハンバーグ」と、カンパンをカラメルコーティングした「カンパンスイーツ」。
 1台の卓上コンロで、3品をワイワイかつ真剣に作ること、1時間20分。
 時短料理で、洗い物も少ない。「いただきます」と食べれば、「普段食べているご飯よりおいしい〜」「ほんと、サバ・メシの日があるといいね」と、2人はお代わり3杯目である。

◎10日にハンドブック配布

 サバ・メシは、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の研究員・内山庄一郎さんらが考え出した、アルミ缶を使ってご飯を炊くサバイバル飯炊きの略。エフエム仙台が広義の「非常食作り」として、許可を得て使用している。「Date fmサバ・メシ防災ハンドブック2019」は8日発行。10日に仙台市青葉区の一番町au SENDAIで配布イベント開催。

 ▽「生姜(しょうが)ごはん」の作り方
 ∧材料∨米2合、ショウガ2片(皮ごとすりおろす)、A(チキンスープの素大さじ1強、しょうゆ大さじ1、酒大さじ1)、凍(し)み豆腐1枚、やきとり缶詰1缶、B(塩小さじ1、餅2個、バター固形1個)、のり1枚、水400〜450cc
 ∧作り方∨(1)米は洗って鍋で10〜15分浸す(2)鍋にAの材料を入れて混ぜる(3)缶詰の鶏肉、Bの材料、戻して千切りにした凍み豆腐を載せ、中火にかける(4)沸騰し始めたら弱火で3分。火を消し5分蒸す(5)鶏肉をほぐして混ぜ、器に盛り、刻んだのりを散らす。

 土地には、その土地ならではの食があります。自他共に認める「いやすこ(仙台弁で食いしん坊のこと)」コンビ、仙台市在住のコピーライター(愛称「みい」)とイラストレーター(愛称「画伯」)が、仙台の食を求めて東へ、西へ。歩いて出合ったおいしい話をお届けします。


2019年03月04日月曜日


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