宮城のニュース

<再生の針路>若い世代の定住を促進/山元町 斎藤俊夫町長

開店直後からにぎわいを見せた「やまもと夢いちごの郷」=2月9日、山元町坂元
斎藤俊夫山元町長

 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。

◎震災8年 被災地の首長に聞く(10)

<350万円超補助も>
 −2018年度で震災復興計画期間を終える。
 「創造的復興は9分咲きまで来ている。残っている主な事業は震災遺構となる旧中浜小の改修工事、避難道路建設、大区画化が進んだ東部地区農地の排水整備など。新市街地のコミュニティー再生も、もう少し時間がかかると考えている」

 −国勢調査を基にした今年1月の町の推計人口は1万1933人で、震災前の71.9%。昨年3月の高齢化率は県内自治体で3番目に高い38.9%だった。
 「仮に人口が1万人を下回っても、若い世代の比率が高まれば小さくとも輝く町にできる。新年度、(新築などが対象の)定住促進のための補助金制度を再構築したい。Uターン世帯への加算などを加え、最大補助額が300万円から350万円超となる。県内最高水準の補助額で若い世代を呼び込む」

 −災害公営住宅が多いつばめの杜西地区では高齢化率が44.7%に達する。
 「災害公営住宅を含む町営住宅の世代交代をにらみ、新年度に新婚と子育て世帯を対象に入居条件を緩和する。新市街地にスーパーや診療所が建設され、若い人が求める環境がある程度整備されてきている」

 −町教委は21年度に山下、坂元両中を山下中校舎を活用して1校に、10年後を目安に4小学校を1校に再編する方針だ。坂元地区では小学校もなくなる可能性があり、将来を不安視する声も聞く。
 「少子高齢化が進む中での教育や街づくりの在り方がある。町教委の方針は、保護者世代を中心に一定程度理解を得ていると考えている。坂元中の校舎の活用方法は、地元の声を聞きながら再編前に方向性を出したい」

<産直施設が開店>
 −2月9日に坂元地区で開店した産直施設「やまもと夢いちごの郷(さと)」に大勢の買い物客が訪れている。
 「想定を超す来客で、仮設店舗だった時の年間売り上げ約5600万円を1カ月で達成する見通しだ。坂元地区だけでなく町全体の活性化につなげたい」
 「本年度、東北ではほとんど例のない多彩な図柄で話題になった線刻壁画の展示が町歴史民俗資料館で始まり、20年度には旧中浜小の公開が始まる。年間を通じてこうした場所や産直施設などを巡ってもらい、新年度に設置する商工観光交流課を中心に交流人口を拡大したい」
(聞き手は亘理支局・安達孝太郎)


関連ページ: 宮城 政治・行政

2019年03月05日火曜日


先頭に戻る