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ふぞろいの野菜を首都圏へ 福島の農業法人、東京の企業と提携 取引額年1億円目指す

店舗に並べられた福島県産野菜を前に立つ(右から)左今社長と高橋会長=東京都港区
規格外の野菜を手に話し合う安藤さん(左)と高橋会長

 福島県内の農業法人でつくる「うつくしまふくしま農業法人協会」(福島市)は4日、青果販売のアグリゲート(東京)と業務提携したと発表した。会員の農産物を、同社を通じて首都圏の店頭で販売する。これまで出荷できなかった規格外品に価値を付け、都市に届ける仕組みも構築する。

 会員が生産するカブや大根、鶏肉など8品目を週1回運び、アグリゲートの都市型八百屋「旬八青果店」などで販売する。
 農産物は都内に出荷する会員の車両に混載し、物流コストを抑える。今後は取扱品目を増やし、年1億円の取引額を目指す。
 規格外品はアグリゲートが強みとしてきた。傷が付いていたり、小さかったりする商品を正規品より2割ほど安く販売するほか、弁当の具材にも活用する。
 協会には県内の58法人が所属。販売先の大半が県内で、首都圏への販路開拓が課題だった。アグリゲートは16店舗から100店舗に規模拡大を計画し、調達先を探していた。農林中央金庫が仲介し、1月上旬に業務提携した。
 東京都港区のアグリゲート店舗で4日にあった報告会で、左今克憲(よしのり)社長は「スーパーと違って八百屋は対面販売できる。福島産品の安全性を丁寧に説明し、消費者に安心感を持ってもらうようにしたい」と強調。協会の高橋良行会長は「福島の農家の思いが詰まったおいしい産品を届けたい」と話した。

◎福島の生産者、新たな販路獲得に期待

 農産物の2〜3割が「小さい」「形が悪い」などの理由で規格外になる。大半が廃棄処分に回る実態もあり、福島県内の生産者は「うつくしまふくしま農業法人協会」が目指す新たなビジネスモデルに期待する。
 伊達市の安藤伸一郎さん(66)は、協会の会員法人にカブやアスパラガスを出荷する。「大事に育てた作物を捨てるのはつらい」と語る。
 丹精込めてもカブは2〜3割、アスパラは1割弱が規格外になるという。安藤さんの1.1ヘクタールの農地脇にも規格外のカブが放置されている。
 今回の業務提携で今後は首都圏に届けられる。安藤さんは「形が少し悪いだけで味は同じ。一つでも無駄にせずに食べてもらうのはうれしい」と話す。
 県産農産物は東京電力福島第1原発事故の風評などで販路が縮小した。首都圏の青果店への直送は、県産品の新たな販売先確保としても期待が高まる。
 協会の高橋良行会長は「失った販路の取り戻しより新規獲得が大事。福島産のおいしさを知ってもらい、生産者や法人の所得向上につなげたい」と力を込める。


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2019年03月05日火曜日


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