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<福島廃炉への道>原子炉建屋最上階での空間放射線量などの調査終了

2号機原子炉建屋最上階の汚染密度の分布図。汚染密度が高い順にオレンジ、黄、緑、青の各色に塗り分けている(東京電力提供)

◎2月1日〜28日

1日  東京電力は2号機の使用済み核燃料の取り出しに向け、燃料プール上部につながる原子炉建屋最上階で進めていた空間放射線量などの調査を終えた。

6日  1号機の使用済み核燃料の取り出しに向けた原子炉建屋のがれき撤去で、崩落した屋根の鉄骨を二つに分断する作業を始めた。分断は22日に完了。燃料プールから遠い建屋北側の鉄骨を先に撤去する。

8日  くみ上げた地下水を保管する「H3東」タンクエリアで1月15日、2重のせきの外側に水たまりが見つかった問題で、外せきの漏えい箇所を排水用側溝の目地部分と特定した。

13日  2号機の原子炉格納容器内部で溶融核燃料(デブリ)とみられる堆積物の接触調査を実施した。つり下げ式の装置で10カ所の堆積物を挟んだ。うち7カ所の小石状や棒状の堆積物は動き、粘土状に見えていた3カ所は実際には硬い岩状で動かせなかった。

14日  1、2号機タービン建屋の海側にある深さ20〜25メートルの観測用井戸で1月29日に採取した地下水から、1リットル当たり最大21万ベクレルの放射性物質トリチウムが検出されたと発表した。

22日  ストロンチウム処理水をタンクに移すポンプの試運転中、配管の接続部から水が漏れてポンプを覆うアクリル製の小屋内に飛び散った。ベータ線を出す放射性物質濃度は直近の測定で1リットル当たり4万9600ベクレル。漏えい量は数リットルで、外せきでとどまった。

28日  1号機の原子炉格納容器の圧力を2019年度初めから下げ、大気圧と同程度にすると発表した。19年度上期に計画する格納容器の内部調査に向けて貫通部の2重扉に穴を開ける工事の一環で、放射性物質を含むちりの放出を防ぐ。

◎汚染密度の分布分かる

Q 2号機原子炉建屋最上階の調査が2月1日に終了した。調査の目的は。
A 2号機の燃料プールから使用済み核燃料など615体を取り出すには、原子炉建屋上部を解体してからクレーンなどを設置する必要がある。調査で現場の汚染状況を把握し、解体計画に反映させる。
Q 具体的な調査内容は。
A 昨年11月14日から遠隔操作の重機やロボットを使い、空間放射線量は高さを変えて計157カ所、壁や床の表面線量は計145カ所で計測した。さらに放射性物質を含むちりの量を測ったりガンマ線カメラで室内を撮影したりした。
Q 分かったことは。
A 図のように汚染密度の分布状況が判明した。原子炉格納容器の真上のふた「ウェルプラグ」付近がオレンジ色で示した1平方センチ当たり1000万ベクレル以上で、特に汚染されていた。原発事故当時、ふたにはシートがかぶせられていた。放射性物質を含む蒸気がふたとシートの間にたまったと考えられる。
 壁より柱部分の汚染度が高く、建屋に浸入した雨水などの流れが影響した可能性がある。燃料プール(SFP)の南側にも高汚染のエリアがあると判明した。
Q 過去の調査結果と違いはあるか。
A 床面からの高さ1.5メートル地点の空間線量の最大値はふたの上で毎時148ミリシーベルト。2012年調査の最大値は毎時880ミリシーベルト(高さ1.1メートル)だった。今回の測定値は11、12年の調査と比べて平均78.5%低かった。
 東電は線量が低くなった要因の内訳を、約6割が自然減により、約1割が調査前のフェンス片付けなどによると分析した。


2019年03月05日火曜日


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