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<双葉准看護学院>介護職から転身、富岡出身・松野さん「いつか地元で看護師に」

卒業式後、笑顔で恩師らを迎える松野さん

 卒業生の松野友紀さん(27)は福島県富岡町で生まれ育った。故郷は原発事故で被災し、避難を経験。事故の映像に目を伏せてきた。「だけど、いつかは地元に戻り、患者さんと向き合いたい」。決意を胸に学びやを飛び立つ。
 震災と原発事故に襲われたのは19歳の時だった。介護士として同県楢葉町の老人保健施設に勤務して1年足らず。マイカーに施設の入所者3人を乗せ、いわき市に避難した。
 「できることはやった。ただ、小学校の体育館で弱り切っていくお年寄りに何もできなかった」。介護士の限界を感じた。
 家族ともばらばらになった。県内の川俣町などを経て、自身は群馬県に避難した。准看護学院が南相馬で再開することを知り、すぐに受験した。
 実習で終末期の患者と向き合った。介護との違いを肌で感じた。「つらかったけれど『そばにいてくれるだけで不安がなくなる』という患者さんの話を聞き、もっと学ばなければいけないと思った」
 古里の富岡町では准看護師の募集は見当たらなかった。
 「当面は総合病院に勤め先を探し、研修を積んで正看護師の資格を取りたい。地元就職にも道が開ける」
 卒業生で最も若く、男性2人のうちの1人。「この2年間で女性にも慣れました」。式後の謝恩会で笑顔を見せた。(南相馬支局・佐藤英博)


2019年03月06日水曜日


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