宮城のニュース

<再生の針路>菖蒲田浜背後地整備へ/七ヶ浜町 寺沢薫町長

多目的広場の整備が認められた菖蒲田浜地区の背後地

 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。

◎震災8年 被災地の首長に聞く(12)

 −津波で被災した浜の状況は。
 「土地区画整理事業は94%まで進んだ。4カ所のうち残るは2カ所で、花渕浜地区は本年度で終了する。代ケ崎浜B地区も登記や精算を含め2020年度末までには終わる」
 「7カ所の津波防災緑地は3月末終了予定の表浜緑地で完了する。県が行う防潮堤の陸こう(出入り口)計32カ所の整備は、もう少し時間がかかるだろう」

 −復旧・復興関連事業の進行状況はどうか。
 「町全体の進捗(しんちょく)率は90%超だ。復興交付金が出る(20年度末までの)10年以内に全部終えたい。最後まできちんとやる」

<換地進めて集約>
 −海水浴場のある菖蒲田浜地区の背後地は更地だ。
 「復興事業として多目的広場の整備が国に認められたので19年度に着手する。津波に襲われた災害危険区域で、元住宅地の町有地と元農地の民有地が混在する虫食いのような状態。地権者と協議し換地を進めて集約し、6.3ヘクタールの多目的広場に造り替えたい。ボール遊びもできる自由度の高い原っぱで、売店なども建てられるイメージだ」

 −観光やレジャーなど来訪への期待を感じる。
 「沿岸部の民宿は津波被災でほぼなくなり、宿泊客は見込めない。だが、海水浴場など癒やしを提供するエリアではある。サーフボードより大きな板の上に立ってこぐマリンスポーツ『SUP』(サップ、スタンドアップパドルボート)やパラグライダーは民間が展開しており、釣りや漁業の体験教室を試みたい。体験型観光の利用者数を探り、多いなら力を入れたい」

 −人口の推移は。
 「震災以降、2000人減った。25〜40歳の女性が少なく、この先減るのか心配もある。定住人口と交流人口の中間の『関係人口』を増やしたい。仙台周辺で親水性のあるまちは少ないし、町内にさまざまな施設があるので、仙台圏の人々に『ちょっと遊びに行こう』と思ってもらいたい」

<弱者避難を支援>
 −災害の備えも進める。
 「自力避難が困難な高齢者や障害者ら要支援者を日頃から地域で見守り、災害時の避難につなげるため、名簿情報の提供に関する条例を18年10月に施行した。要支援者のうち不登録希望者を外して名簿を作る方式で、登録率は95.9%。始動したばかりなので、本当に支援が必要な人への対応力を向上させたい」
(聞き手は塩釜支局・松田佐世子)


2019年03月08日金曜日


先頭に戻る