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<ILC>岩手県南、玉虫色の見解に困惑

研究者組織の記者会見を見守る市民ら=7日夕、奥州市役所

 国際リニアコライダー(ILC)誘致の可否に触れない玉虫色の政府見解を巡り、建設候補地とされる岩手県の関係者に戸惑いが広がった。「建設に向け前進した」と強気の見方がある一方、計画の実現可能性を疑問視する声も上がった。
 小沢昌記奥州市長は「欧米と正式に協議をしていくと明確に公表した」との認識を示し「誘致のゴーサインは出なかったが、大きく前進」と評した。奥州市は7日夕、庁内で国内外の科学者組織による記者会見の様子を中継。国際協議の行方を探ろうとする市職員らが熱心に見入った。
 開会中の岩手県議会では、ILC誘致に取り組む県南選出の議員らが県の受け止めを質問した。県は「政府が正式に関心を示し、研究者機関と一緒になって海外と議論を進めるステージに入った」と強調した。
 一方、上京して政府見解の発表を見守った勝部修一関市長は「日本の態度を鮮明にしてほしいとリクエストしていた欧州は納得しないだろう」と話し、落胆の表情を浮かべた。
 一関市の市民団体「ILC誘致を考える会」は政府見解を、「現在の計画の遂行は無理」と解釈。「これを首長が前進と捉えるからミスリードが起きる」と断じ「ILCに没頭しすぎて振り回され、本当に必要なまちづくりがおろそかになっている」と批判した。


2019年03月08日金曜日


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