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<再生の針路>沿岸部の観光振興策探る/利府町 熊谷大町長

須賀地区で進む水門工事

 宮城県内で9542人が亡くなり、1220人が行方不明になった東日本大震災から間もなく8年になる。国の復興・創生期間の終了まで残り2年。津波で被災した沿岸部の社会資本整備は仕上げの段階に入ったが、被災者のなりわいや生活の復興の進み具合は地域によって、ばらつきが大きい。沿岸自治体の首長に、復興の状況や課題などを聞いた。

◎震災8年 被災地の首長に聞く(13)

 −復興の進展は。

<浜まつりが復活>
 「津波で被害を受けた浜田漁港の防潮堤が完成した。高さ2.1メートル、長さ747メートル。2月16日には同漁港の公園広場を会場に浜まつりが復活し、3万人を超える人出でにぎわった」
 「残る事業はあとわずかだ。工事を進めている沿岸部の須賀地区の水門と、浜田、須賀の両地区の水門などを遠隔操作する施設整備ぐらいになった」

 −今後の課題は。
 「沿岸部の振興だ。町長に就任後、利府に海があることを知らない人が県内でも多いことに驚いた。開発の進んだ塩釜市や松島町に比べ、ほとんど手つかずの風景が利府にはある。町の均衡ある発展のためにも力を入れる」
 「沿岸部の拠点として、JR仙石線陸前浜田駅前の町有地1.5ヘクタールに、海産物の販売施設や駐車場などを設けたい。国道45号沿いでもあり、道の駅や鉄道駅などが集まる場所になる。松島湾に突き出た半島『馬の背』など観光地を巡る散策路も整備できる。ポテンシャルは高い」
 「沿岸部は市街化調整区域や特別名勝・松島の保護地区にあり、開発が制限される。復興のソフト事業採択を受け、どこまで規制緩和できるかを探る。できれば、移住者を受け入れるところまでいきたい」

 −2020年東京五輪は復興五輪と位置付けられている。

<五輪PRの場に>
 「町内にある県総合運動公園が県内唯一の五輪会場として、サッカーの女子7試合、男子3試合がある。昨年7月に総務課内にオリンピック推進室を設け、今月10日には『500日前シンポジウム』を開く。スポーツイベントは町民の大きな励ましになる」
 「総額2億7865万円を投じて町中央公園野球場を人工芝などにする工事が終わり、17日にリニューアルオープンする。五輪をPRする場として活用したい」
 「JR利府駅から会場まで約3.3キロを『おもてなしロード』とし、イベントスペースを菅谷台などに設けて歩行者を増やし、交通渋滞の緩和につなげたい」

 −20年には町の文化複合施設やイオンモール利府新棟もオープンする。
 「どちらも五輪後の予定だ。スポーツ施設の充実する町内に、待望の文化施設が誕生する。利府町もモールの周辺をさらに宅地開発すれば人口増につながるはずだ」(聞き手は多賀城支局・高橋秀俊)


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2019年03月09日土曜日


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