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<震災8年 被災3県知事に聞く>宮城・村井嘉浩氏 財源確保へ働き掛け

「ソフト面の対応に力を入れる」と語る村井知事

 東日本大震災の発生から11日で8年になる。災害公営住宅など生活基盤の整備が進み、ポスト復興を見据えた施策も動き始めた。東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害や、震災で加速した人口減少などの課題は依然として残る。岩手、宮城、福島3県の知事に復興の現状と課題を聞いた。

 −復興の進行状況と課題は。
 「ハード整備は非常に順調に進んでいる。今月中に県内の災害公営住宅が全戸完成し、仮設住宅に住む人数が減る。ただ、土地区画整理事業が一部完成していないため、当分仮設住宅をゼロにはできない。心のケアや地域コミュニティーの再生、不登校児童への対応など課題はソフト面が大きなウエートを占める」

 −2年後に迫った県震災復興計画の完遂は可能か。
 「恐らく2020年度中に全ての事業を終えるのは難しい。復興庁も理解してくれている。終わるように最大限努力する。その上で、できないことを国と改めて相談する形にしたい。今は事業を必ず終えるよう職員を鼓舞したい」

 −ポスト復興の課題は何か。
 「何といっても財源だ。(国の全面的な財政支援が終わる)20年度末の復興基金残高は200億円を切ると見込んでいる。その後、心のケアや不登校対策などに毎年70億円使うと、3年で資金不足に陥る。国に強く働き掛けて財源を確保したい。復興のあるべき姿としては被災者が自ら立ち上がり、食べていけるようにしたい」

 −人口減を含め、被災した東北は課題先進地と言われる。全国に誇れる宮城発のモデルは何か。
 「民営化モデルだ。仙台空港の民営化や大学医学部の新設、仙台市内に整備される次世代型放射光施設などがそう。県の税金をじゃぶじゃぶ使う施策はない。民間の力を活用して宮城を元気にしようと一貫してやってきた」

 −4月施行の改正入管難民法により、外国人労働者の受け入れが拡大する。賛否はどうか。
 「大賛成だ。被災地だけでなく、県内全域で人手が足りない。外国人と共存する社会は、子どもたちの教育にとっても重要だ。デメリットはせっかく育てた人材が賃金水準の高い大都市に流れる可能性があること。外国人を労働力不足を補う駒ではなく、将来にわたって日本に住み続けられる環境を整備すべきだ」

(聞き手は報道部・吉江圭介)


2019年03月09日土曜日


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