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<震災8年 被災3県知事に聞く>岩手・達増拓也氏 新交通網交流を推進

「地方創生の成功と合わせて復興を実現する」と語る達増知事

 東日本大震災の発生から11日で8年になる。災害公営住宅など生活基盤の整備が進み、ポスト復興を見据えた施策も動き始めた。東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害や、震災で加速した人口減少などの課題は依然として残る。岩手、宮城、福島3県の知事に復興の現状と課題を聞いた。

 −8年で復興はどの程度進んだか。
 「本年度中に土地区画整理や高台集団移転の復興まちづくり事業は約96%、災害公営住宅整備は約97%が完了する。一方、応急仮設住宅などの入居世帯は600を超える見込みで、被災者の心と体への支援が引き続き必要になる」

 −復興事業を進める上で一番の課題は何か。
 「風化が大変怖い。被災地の課題が複雑化、個別化し、団体や企業と細かな連携が求められる状況だ。無関心が広がると、関係者との連携が難しくなる」

 −国の復興・創生期間の終了まで2年に迫った。復興後の岩手の姿は。
 「復興計画の策定当時は想定しなかった(宮古−北海道室蘭間の)カーフェリー就航、(釜石港への)ガントリークレーン導入が実現できた。花巻空港も2路線が国際定期便化した。新しい交通ネットワークを活用した生活や産業、交流の発展が復興した岩手沿岸の姿としてイメージできる」

 −復興庁の設置期限後も求めたい支援は何か。
 「政府は復興・創生期間と位置付けた後半の5年間に地方創生の要素をかぶせたのだろう。しかし東京一極集中はかえって強まり、沿岸市町村の人口減少は歯止めがかからない。地方創生の成功という視点も加味した対応が求められるのではないか」

 −震災で加速した人口減少の影響をどう考えるか。
 「養殖する人が減れば、1人当たりの養殖面積を増やせる。規模拡大や生産性向上には人数が少ない方がやりやすくなる面もあるはずだ。ただ、能力のある経営者が新事業をやろうとしても、人手不足で困っている例がある」

 −外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が4月に施行される。
 「沿岸の水産加工業者などから、外国人技能実習生を増やせるような特区を導入してほしいと要望があった。ニーズに応えられるよう外国人労働者が増えてほしい。技能を身に付けて国に帰ればより良い仕事ができる可能性が広がるという健全な形で、外国人労働者の増大を図る必要がある」

(聞き手は盛岡総局・斎藤雄一)


2019年03月09日土曜日


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