福島のニュース

<震災8年 被災3県知事に聞く>福島・内堀雅雄氏 風評対話で理解促す

「復興は新たなステージを迎えている」と語る内堀知事

 東日本大震災の発生から11日で8年になる。災害公営住宅など生活基盤の整備が進み、ポスト復興を見据えた施策も動き始めた。東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害や、震災で加速した人口減少などの課題は依然として残る。岩手、宮城、福島3県の知事に復興の現状と課題を聞いた。

 −8年間の復興の進展をどうみる。
 「旧避難地域は病院や学校が再開し、観光地はにぎわいが回復した。(浜通り地方に新産業を集積させる)イノベーション・コースト構想も具体化し、復興・創生は新たなステージを迎えている。一方で、4万人以上が避難を続ける。生活再建や産業振興など難しい課題も山積している」

 −「福島産」への風評は一部の国で根強い。
 「(2017年度の)県産農産物の輸出量は過去最高を記録したが、原発事故前の主要な相手先で輸入規制が続いている。1月には香港を訪れた。厳しい状況はあるが、政府関係者らと直接話せば理解につながるという実感を得た。諦めずに福島の正確な情報を伝えれば未来は切り開ける」

 −復興・創生期間の終了が迫る。
 「終了後も確実に復興が進められるよう、体制と財源の確保を国に求める。知事として訴え、国に実情を理解してもらうことが極めて重要だ」
 「(東電が方針を示している)第2原発の廃炉も正式決定するよう、東電や国に機会があるごとに強く訴える。県内原発の全基廃炉は県民の強い思いだ」

 −第1原発では放射性物質トリチウムを含む水の処分方法が決まらない。
 「国で議論が進んでいる。(地元住民らの)公聴会での意見や環境への影響を議論し、県民らに丁寧に説明しつつ慎重に検討するよう国や東電に求める」

 −被災地を中心に人口減少が深刻化している。
 「復興再生と地方創生は最重要課題。一体で進める必要がある。県内の人口減は若者の県外流出と出生数減少の影響が大きい。子育て支援を充実して定住・二地域居住を推進する。若者が可能性を感じられる環境を実現することが重要だ」

 −改正入管難民法の影響をどうみる。
 「利点は労働力の確保に加えて異文化との交流による地域や企業の活性化。適正な労働環境や賃金水準の確保などが課題だ。国の議論を注視し、企業ニーズなども踏まえて県の対応を検討する」

(聞き手は福島総局・柴崎吉敬)


2019年03月09日土曜日


先頭に戻る