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<震災8年>安倍首相インタビュー 政治の責任で復興完遂

「現場の課題一つ一つに丁寧に対応し、一日も早く復興を成し遂げる」と強調する安倍首相=8日、首相官邸

 安倍晋三首相は8日、東日本大震災から8年を前に、河北新報社など宮城、岩手、福島3県の地元紙のインタビューに答えた。
 同日閣議決定した復興基本方針の改定で明記した復興庁の後継組織について「政治の責任とリーダーシップの下で復興を成し遂げる組織にする」と表明。復興・創生期間(2016〜20年度)終了後の支援を巡り、被災自治体と具体的な協議に入る考えを示した。
 被災者の心のケアは21年度以降も継続する方針を示した。被災中小企業の再建に関しては「復興が進むにつれ新たな課題が生じており、さまざまな取り組みで支援したい」と明言した。
 東京電力福島第1原発事故からの福島の再生は「中長期的な対応が必要」と引き続き国が前面に立つ姿勢を強調。福島第2原発については「東電が早期に廃炉を正式決定するよう強く促す」と述べた。

 インタビューでの主なやりとりは次の通り。
 −改定基本方針に復興庁の後継組織設置を記した。

 「現在と同様に司令塔として省庁の縦割りを排した組織を置く。今後は被災自治体の要望を踏まえ、21年度以降も必要な事業を確実に実施できるよう具体的な在り方を検討する」
 「復興は着実に進む一方で、被災者が置かれた状況は多様化し、よりきめ細かい対応が必要だ。復興・創生期間の残り2年も全力で取り組む」

 −被災者の見守り活動や高台移転先でコミュニティー形成を支援する民生委員らの人材確保が課題だ。
 「避難生活の長期化、災害公営住宅への転居など被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援が重要。民生委員の活動費や研修の支援で後押ししてきた。被災地の状況を踏まえれば、創生期間後も一定期間は支援が必要だ」

 −被災した中小企業の再生は道半ばだ。
 「事業再開を希望する企業のほとんどが施設復旧を果たしたが、販路の回復や人材不足など新たな課題が生じている。単に震災前の状況に戻すだけでは、売り上げの回復は困難だ」
 「被災企業の中には、働きやすい職場づくりや国際規格の取得による高付加価値化で課題を解決した例もある。成功例を横に展開するほか、販路開拓や新商品の開発支援、学生インターンシップ受け入れなどあらゆる支援を講じたい」

 −福島第1原発事故による風評被害の払拭(ふっしょく)に向けた具体策は。
 「子どもたちの理解を深めようと放射線教育の副読本を改訂し、本年度全国の小中高生に配布した。今春の新入生にも配る。親世代を含めた広い理解を得るため、テレビCMの全国放送など分かりやすい情報発信に努める。今後も自ら先頭に立ち、福島県産品の安全性を発信したい」

 −東電は福島第2原発の廃炉方針を示したが、正式決定はしていない。
 「東電が事業者として責任を持って廃炉を早期に決定し、廃炉作業を完遂するよう強く促したい」


2019年03月09日土曜日


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