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<福島第1廃炉作業>汚染水/処理後の扱い 最大懸案

汚染水を浄化する多核種除去設備=2月21日

 東京電力福島第1原発事故は発生から8年を迎える。溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに向け、2月には堆積物の性状を確かめる初の接触調査が行われた。一方、使用済み核燃料の取り出しが機器のトラブル発覚でずれ込むなど、廃炉作業の課題も次々と明らかになっている。

 廃炉作業では、デブリに触れるなどして発生する汚染水も大きな課題だ。
 汚染水を多核種除去設備(ALPS)などに通した後の処理水の保管量は約111万トン(2月28日現在)。東電は、敷地内に建設可能なタンクの容量は137万トンが上限と説明する。
 汚染水発生量は直近3カ月の平均で1日60トン程度だが、降水量が多い7〜9月は200トンを超える日もある。東電は、20年内には年間平均で1日150トン程度にする目標を掲げる。
 東電はこれまで、地下水や雨水の建屋への流入を減らすため、周辺地盤を凍らせる「凍土遮水壁」を整備。今後は、水素爆発で天井に穴が開くなどした建屋の補修を進める。
 汚染水はALPSでトリチウム以外の放射性物質の大部分を取り除いた「ALPS処理水」だけでなく、セシウムなど一部の放射性物質を先行除去した「ストロンチウム処理水」としてもタンクに保管している。
 東電はタンクを、組み立て型から漏えいリスクの低い溶接型に変更している。ストロンチウム処理水の移し替えは18年11月に完了し、ALPS処理水も18年度中に終わる見通し。
 最大の懸案は処理水の処分方法だ。国の作業部会が海洋放出、地下埋設など5通りの方法をまとめ、政府の小委員会が処分に伴う風評被害など社会的影響を考慮した検討を重ねている。
 小委は18年8月、福島県内2カ所と東京の計3会場で公聴会を開催。登壇者の大半が海洋放出に反対し、タンクによる陸上保管の継続を求める意見も出た。
 小委委員長の山本一良名古屋大名誉教授は「スケジュールありきでなく検討を続ける」と強調する。


2019年03月10日日曜日


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