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<再生の針路>集客へ商店街連携強化/南三陸町 佐藤仁町長

開業2周年を迎え、にぎわいを見せる南三陸さんさん商店街
佐藤仁 町長

◎震災8年 被災地の首長に聞く(15完)

 −町の復旧、復興関連事業の状況は。

<町施設全て再建>
 「進捗(しんちょく)が遅れていた防潮堤工事は発注を終え、国の復興期間が終わる2020年度内の完成を目指す。4月25日に開館する町生涯学習センターを最後に、被災した町の公共施設の再建が完了する。志津川地区で整備中の震災復興祈念公園は当初予定より遅れるが、12月に一部開園できる見通しだ」

 −防災集団移転団地は造成した1割に当たる82区画が空いている。
 「子育て世代の定住や町への移住者とのマッチングが課題。町の労働力人口は震災前後の国勢調査で約2300人減っており、業種によっては外国人労働者の受け入れも必要になる。今後は空き区画を集合住宅の建設に活用できるよう、対話を通じて住民の理解を得たい」

 −町の人口は1万2967(19年2月末)。震災前から3割近く減り、高齢化率は35%になった。
 「地方の力で人口を増やすのは難しい。国の政策によるところが大きい。町の人口は若年層が少なく高齢層の多い、いびつな構成になっている。世代間のバランスを取るため、子育て支援に力を入れていく」

 −住宅再建地でのコミュニティーづくりが課題になっている。
 「災害公営住宅では近所付き合いが希薄になっている。公営住宅の集会所に常駐する町社会福祉協議会の生活援助員が支援しているが、特に男性を地域に溶け込ませるのが難しい。一部の行政区では区長のなり手を探すのに苦労している」

 −町の活性化には交流人口の拡大が鍵になる。
 「18年の町への観光客数は町の速報値で144万人に達し、過去最高を記録した17年を2万人上回った。観光拠点となる南三陸さんさん商店街と南三陸ハマーレ歌津の両商店街の連携を強化し、さらなる集客につなげたい」

 −人口減が進む中、持続可能なまちづくりが求められる。

<担い手の育成を>
 「将来の町財政に負担をかけないため、復興後を見据えて足腰の強い財政基盤を築く必要がある。財務省からは『自立してください』と言われる。人口減は予想を超える速さだが、現在の人口で町のにぎわいをつくる方策を考えることが大切だ。まちづくりは人づくりでもある。町の将来を担う人材育成を進めなければならない」(聞き手は南三陸支局・佐々木智也)


2019年03月11日月曜日


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