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<震災8年>石巻・日和幼稚園 園児の慰霊碑が完成 笑顔に会える場に

慰霊碑の除幕式であいさつする佐藤さん(右)=10日午後3時20分ごろ

 東日本大震災で犠牲になった私立日和幼稚園(宮城県石巻市、休園中)の園児の遺族有志が被災現場近くに慰霊碑を建立し、石巻市門脇町の現地で10日、除幕式があった。「子どもたちも『頑張ったね』って言ってくれるかな」。遺族はわが子に思いをはせながら、教訓の伝承を誓った。

 「3月14日、変わり果てた姿の子どもたちを発見した。抱き締めたくても壊れてしまうので、抱き締めてあげることすらできなかった」
 長女愛梨ちゃん=当時(6)=を失った佐藤美香さん(44)は、あいさつの中で8年前の光景を振り返り、声を詰まらせた。
 除幕式には建立に賛同した園児4人の遺族らが参加した。碑の前には色とりどりの花々が供えられ、参加者が手を合わせた。
 碑は冥福を祈り強く握った手の形や、親が子どもを包み込む様子をイメージした。「あなたの笑顔にまた会いたい」とつづり、裏面に4人の名前を刻んだ。
 次女の春音ちゃん=当時(6)=を失った西城江津子さん(44)は「ようやく手を合わせられる場所ができた。この日を迎えられて胸がいっぱい」と話した。
 あの日、園児12人を乗せたバスは高台の園から海に近い南浜町方面に向かった。園に引き返す途中に津波にのまれて炎上。園児5人が犠牲になった。
 佐藤さんと西城さんは語り部活動を通じ、震災の教訓を伝え続けてきた。
 佐藤さんは「命の犠牲の上に成り立つ教訓はあってはならないが、二度と悲劇を繰り返してはいけない。子どもたちの命が一番に守られる社会になってほしい」と祈りを込める。
 西城さんは「私たちがいなくなった後も、碑を読めばここで何があったのか分かってもらえる」と記憶の伝承を願った。
 碑は2020年度に完成予定の石巻南浜津波復興祈念公園の近くに建つ。伝承看板も設置する予定。


2019年03月11日月曜日


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