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<震災8年ネット調査>暮らし向き 復興足踏み 「厳しく」30%に悪化

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被害を受けた岩手、宮城、福島3県沿岸部では、震災前と比べた暮らし向き全般が「厳しくなった」と感じる被災者が30.4%に上ることが10日、河北新報社とマーケティング・リサーチ会社マクロミル(東京)の共同調査で分かった。2018年の前回調査から1.6ポイントの微増だが、17年調査からの改善傾向が悪化に転じ、復興の歩みが足踏みした格好だ。

 暮らし向き全般が「楽になった」は前年とほぼ変わらない14.9%(0.3ポイント増)。震災から8年が過ぎ、被災者における復興の二極化が続く状況を示した。暮らし向きのうち仕事の確保が「厳しくなった」は24.3%で3.6ポイント悪化。「楽になった」は15.5%で1.7ポイント減った。
 一方、自分が住む街の復興は「楽になった・改善している」が30.1%と8.1ポイント上昇。住宅の再建は「厳しくなった」が5.5ポイント改善の20.1%となり、復興まちづくりや災害公営住宅の整備が進展する状況が反映された。
 復興の進み具合を10%刻みで選ぶ「復興度」の5グループ平均は57.4%で、18年比3.6ポイント上昇。沿岸部被災者の59.5%に対し、首都圏が52.8%、大阪北部地震被災者が48.9%となり、遠隔地ほど低くなった。被災地の情報量の差が影響したとみられる。
 復興が遅れていると思う分野を選ぶ設問では、沿岸部被災者は「防潮堤・高台移転」33.7%、「道路・鉄道などの交通」「風評被害対策」31.4%が多かったのに対し、被災3県以外の地域は「住宅再建・宅地造成」が40〜60%を占めた。復興に対するイメージの地域間ギャップがこの点でも浮き彫りになった。
 また、被災3県内陸部では「風評被害対策」の遅れを指摘する意見が41.7%と最も高かった。原発事故から8年が経過する今も広範囲に被害が意識される実情がうかがえる。
 震災を意識する頻度は「ほとんど意識しない」が沿岸部被災者で18.8%(2.9ポイント増)に対し、同じ沿岸部の非被災者は32.2%(6.5ポイント減)となり、風化の進展にばらつきが出た。首都圏は41.3%(0.3ポイント増)だった。

[調査の方法]2月2〜18日、マクロミルが保有する20代以上のネットモニター1785人から回答を得た。内訳は(1)被災3県沿岸部の被災者309人(2)被災3県沿岸部の非被災者242人(3)被災3県内陸部312人(4)青森、秋田、山形3県301人(5)首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川1都3県)312人(6)北海道地震の被災者103人(7)西日本豪雨の被災者103人(8)大阪北部地震の被災者103人。全体の集計は過去との比較のため(1)〜(5)(1476人)を対象とした。仙台市は宮城野、若林両区を沿岸部とみなした。回答者は沿岸部は無作為、その他は都道府県ごとに2015年国勢調査の結果に基づき抽出した。

マクロミルのページはこちら
https://www.macromill.com/press/info/20190311.html


2019年03月11日月曜日


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