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<震災8年>故郷と駆ける 石巻の自宅被災、日体大陸上部・森さん七十七銀入り

七十七銀入りを前に、練習に励む森さん=4日

 宮城に戻り、社会人ランナーの一歩を踏み出す。日体大陸上競技部の森美悠(みゆ)さん(22)は今春、実業団の強豪、七十七銀行に入行する。14歳で東日本大震災に遭い、石巻市の自宅が被災した。一時は走ることを諦めかけたが、家族や周囲の支えもあり競技を続けてきた。「故郷にはお世話になった人がたくさんいる。活躍することで恩返ししたい」と意気込む。
 卒業を間近に控えた3月も、後輩と一緒に横浜市の健志台キャンパスで練習を続ける。「100メートルも200メートルも大学4年で自己ベストを更新した。まだまだ伸びる」。大学で得た自信を胸に新生活をスタートさせる。
 震災時は石巻市住吉中2年生。下校中、激しい揺れに襲われた。家族は無事だったが、JR石巻駅近くの自宅は身の丈ほどの津波が押し寄せ、避難生活を強いられた。
 生きるだけで精いっぱいの日々。競技を続けるかどうかも悩んだが、両親が背中を押してくれた。「中学最後の学年でしょ。家のことはいいから、陸上を頑張って」。幸いにも愛用のシューズは自宅で無事だった。先輩の家に下宿して競技を続け、その年の県中学総体は800メートルで頂点に立った。
 実力を買われて進んだ東北高では、2014年の南関東インターハイ400メートルで4位入賞。大学時代は17年の陸上日本選手権400メートルリレーに出場し、日体大の初優勝に貢献するなど実績を積んできた。「競技を続けるなら地元で」。七十七銀陸上部は多くの女子短距離選手が活躍している。高校時代から憧れだった。
 社会人ランナーとしての目標の一つに国体出場を挙げる。「『宮城』を背負って走りたいんです」。地元愛は、人一倍強い。


2019年03月12日火曜日


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