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<仙台市いじめ防止条例>解説/実効性ある対策必要

 12日の仙台市議会2月定例会本会議で可決、成立した市いじめ防止条例は、いじめの早期発見や迅速な対処を学校に求め、地域ぐるみで子どもを見守ることなどを盛り込んだ。今後は学校や市教委、市が実効性のあるいじめ防止策を打ち出せるかが問われる。
 条例は、いじめを訴えた中学生の自殺が市内で3件相次いだことを受けて検討が始まった。2018年7月に骨子案を公表。公募した市民の意見や市いじめ対策等検証専門家会議の提言などを条文に反映させた。
 18年11月、女児へのいじめを苦に母親が無理心中したとみられる事件が発生。市は急きょ、関係する双方の児童生徒や保護者の「共通の理解の下」で、対応を進めるよう加筆した。
 速やかな対処は評価できる。ただ、いじめた側といじめられた側の認識は時に相反し、一筋縄ではいかない。これまで以上に丁寧な対応が学校に求められる。
 条例で全てのいじめを解決、根絶できるわけではない。14年に自殺した泉区館中1年の男子生徒=当時(12)=の父親は「罰則規定がなく、実効性はあるのか。条例を作って満足してはいけない」とくぎを刺す。
 条例を踏まえ、市教委はいじめ防止対策推進法に基づく「市いじめ防止基本方針」を改定する。各校も策定する基本方針は改定に当たり、子どもたちや保護者、住民の意見を聴く。
 この関わりを生かし、個々人に「いじめは許さない」との気概を持ってもらうべきだ。広がれば、市や学校の風土は変わる。教職員は特に高い意識でいじめに悩む子どもたちに手を差し伸べてほしい。条例制定は決して、ゴールではない。(報道部・田柳暁)


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2019年03月13日水曜日


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