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多賀城と熊本で被災 防災士・柳原さん親子が仙台で講習会

二つの被災の記憶を伝える柳原志保さん(右)と拓巳さん=2日、仙台市内

 東日本大震災で、当時住んでいた宮城県多賀城市の自宅が被災し、移住先の熊本県和水(なごみ)町では熊本地震を経験した防災士柳原志保さん(46)が次男拓巳さん(13)=同町菊水中1年=と共に、防災啓発活動を始めた。拓巳さんは2月に防災士試験に合格。2日に仙台市内で親子で初の講習会を開いた。志保さんは「世代を超えた被災の教訓を、親子で伝えたい」と話す。

 「大人でも子どもでも日々の規則正しい生活が重要。睡眠不足や朝ご飯を食べない状態で災害に向き合うのはつらい」
 仙台市であったNPO法人防災士会みやぎの研修会で、拓巳さんはこう呼び掛けた。震災時の経験を基に「避難の妨げにならないように部屋を片付ける」「日頃のお手伝いが炊き出しに役立つ」など、子どもの視点で備えの大切さを語った。志保さんは台所用品などを使った避難所グッズの作り方を教えた。
 シングルマザーの志保さんの自宅は津波で大規模半壊した。「職場と避難所を往復する母を見送るしかなかった」と拓巳さん。志保さんも「寒がる息子をさすってあげることしかできなかった」と振り返る。
 志保さんは2012年、当時8歳の長男と6歳の拓巳さんを連れ、和水町地域おこし協力隊員として移住。14年に防災士の資格を取った。
 震災の教訓を伝える中で16年4月、熊本地震に遭遇したが、経験が生きた。拓巳さんは家事や炊き出しを手伝って多忙な母を支え、志保さんは安心して避難所運営に注力できたという。
 今後も熊本を中心に全国で講演会や研修会を開く予定。志保さんは「大人と子ども、それぞれの立場で助け合うことが重要」と話す。


2019年03月13日水曜日


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