宮城のニュース

<汚染廃試験焼却>大崎周辺住民の中止申し立て 仙台地裁、月内にも判断 主な争点は?

 宮城県大崎市岩出山のごみ焼却施設「大崎広域西部玉造クリーンセンター」で実施中の東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物の試験焼却を巡り、周辺住民が大崎地域広域行政事務組合と大崎市に試験焼却の中止を申し立てた仮処分について、仙台地裁は月内にも可否を判断する。
 これまで非公開の審尋が4回あり、19日に裁判所が現地調査をした後、判断が示される見通し。争点の一つは、住民組織が環境保全を目的に、旧岩出山町時代の1989年に組合側と結んだ申し合わせの効力だ。
 住民側は「試験焼却の着手は、焼却場の機能変更の際に事前合意を必要とする住民組織と組合の申し合わせに反する」と主張。組合担当者が議会で試験焼却実施には申し合わせの見直しが必要との発言をしていたことなどから「申し合わせの拘束力を行政側が認識していた」と指摘する。
 行政側は、従来の100ベクレル以下から、8000ベクレル以下の汚染廃棄物を一般廃棄物とする特措法などを根拠に「試験焼却は住民の事前合意が必要となる機能変更に当たらない。住民説明も尽くし、申し合わせ違反にならない」と反論する。
 もう一つの争点は、放射性セシウムの外部漏出につながり、人格権を侵害しているかどうか。
 住民側は、ばいじんを取り除くバグフィルターの放射性セシウム捕捉能力が99.9%とする行政側の主張を疑問視。専門家の見解や観測データの解析、麻布を使った独自調査結果などからセシウム漏出の可能性を指摘。「健康や生活を守る人格権の侵害に当たる」と中止を訴える。
 これに対し、行政側は国によるバグフィルターの性能検査結果などを示し、安全性を強調。試験焼却の排ガス検査から仮に外部漏出しても極めて微量だとし、「排ガスの放射性セシウムは検出下限値以下で、健康被害を及ぼす量にはならない」と却下を求めている。
 試験焼却は昨年10月に半年の予定で始まり、今月中に終わる予定だった。しかし、使用する汚染牧草が確保できず、岩出山の施設では5回目まで終了したが、最終の6回目が5月以降になる見通しになっている。


2019年03月14日木曜日


先頭に戻る