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<震災8年>さよなら仮設ホテル 5年間の営業に幕、復旧工事の11万人利用 岩手・大槌

スタッフと常連宿泊客が集まったホテルの営業終了パーティー

 岩手県大槌町の第三セクター「復興まちづくり大槌」運営の仮設ホテル「ホワイトベース大槌」が東日本大震災から8年の節目に5年間の営業を終えた。アットホームな雰囲気で復旧工事の関係者をもてなし、延べ11万3770人が宿泊。雇用を生み出すなど疲弊した地域経済の復興にも一役買ってきた。
 最終営業となった2日夜はスタッフと常連宿泊客のお別れパーティーがあった。経理担当の山陰洋子さん(65)は「お客さんが快適に過ごし、工事を終えた後は笑顔で去って行くのが何よりうれしかった」と振り返る。
 八戸市の建設会社社員須田達弘さん(39)は、県立大槌病院の再建工事などで延べ1年10カ月滞在した。「おいしいご飯が楽しみでほっとできる寮のような場所だった」と感謝する。
 ホワイトベースは2014年4月に開業。復旧工事の入札情報に基づき、落札業者に利用を呼び掛ける営業活動を続けた。客室77室は全て個室で、平均稼働率は82.7%と高い水準を維持してきた。
 ただ復興事業の収束やホテル施設のリース期間が満了することもあり、町は営業終了を決めた。併せて復興まちづくり大槌を近く解散することも決定。社員やスタッフの計29人は全員解雇する。
 復興まちづくり大槌は13年3月に設立。公民連携の手法で手掛けた中心市街地再生は頓挫したが、ホテル運営が好調で累積利益は17年度決算で4000万円を超える。物品取引や宿泊客による消費など町内に経済効果を波及させた。
 東京都内の出版社勤務から転身した取締役の石井満さん(51)は「全国から集まって働いてくれる工事関係者のため、サービスに力を入れてきた。解散は残念だが、復興に貢献できた達成感はある」と語った。


2019年03月14日木曜日


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