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学校の津波リスク点検 宮城の研究者らチェックリスト作成「事前防災意識高めて」

津波に対するリスクや防災の取り組み具合が点検できるチェックリストの一部

 東日本大震災の津波で多くの学校が被災した教訓を生かそうと、宮城県内の学校防災研究者グループが、学校の津波リスクを点検できるチェックリストを作成した。南海トラフ巨大地震の発生が懸念される東南海7県の教育委員会に送り、学校防災の向上に役立ててもらう考えだ。

 作成したのは宮城教育大、東北生活文化大、東北福祉大の研究者らでつくるグループ。震災の事例を基に学校のリスクを「ハード面」「ソフト面」「連携面」に分け、各6項目の設問を作った。3、4段階の評価をチャートに落とし込むとリスクや対策の要点が分かるようになっている。
 ハード面は、学校の海岸線からの距離や海抜、高台や屋上の有無といった立地条件を問う。ソフト面は、防災マニュアルの内容、津波を想定した避難訓練の有無などを選択。連携面は、保護者との連絡体制や引き渡しルールの明確化、家庭との情報交流の度合いなどを尋ねている。
 グループは昨年12月に大分市であった日本学校保健学会の学術大会で発表。今年に入り、南海トラフ地震の津波が想定される神奈川、静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、高知の7県教委にリストを送った。
 文部科学省によると、震災で津波が敷地に到達した幼稚園、小中学校、高校は岩手、宮城、福島3県で計131校に上る。石巻市大川小では学校管理下の児童73人が死亡・行方不明となる一方、近くの高台などに避難し、間一髪で人的被害を免れた学校も少なくない。
 グループ代表の数見隆生宮教大名誉教授は「震災から8年がたち、事前防災の意識が風化している。震災ではハード面に問題があってもソフト面や地域との連携で助かった事例も多い。改めて意識を高め、リスクをできるだけ軽減してほしい」と話す。


2019年03月17日日曜日


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