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<更生現場のいま>見守る使命 地域でつなぐ

女性保護司の相談に乗る安島さん(左)。更生の支え役も互いに支援している=2月27日、名取市

◎「18歳成人」を前に(2)支え

<後任探しに苦労>
 「この仕事は良い時と悪い時がフィフティーフィフティーだ」。岩沼市の安島功さん(74)が実感を込める。岩沼市職員だった1989年に保護司=?=となり、非行少年だけで10人以上と向き合ってきた。
 苦い思い出がある。かつて定時制高校1年の少年(15)を担当した。中学3年時、小中学校の窓ガラス約100枚をたたき割って家裁送致され、保護観察処分となった。
 「遊び半分でやりました」。薄茶の髪に細い眉、幼さの残る顔立ち。最初の面接でこう説明した少年は素直で「悪さをするようには見えなかった」。少年は職に就き、順調に立ち直るかに思えた。
 だが初対面の約半年後、友人らと傷害事件を起こし、東北少年院(仙台市若林区)に送られた。「信頼関係を築けていると思っていた。ショックだった」。安島さんが振り返る。
 心配事は担当する少年らの更生にとどまらない。保護司は規定で76歳以上は再任されない。残る2年の間に後任を探そうと、かつての職場の後輩らに声を掛けている。
 地縁や歴代の人脈で系譜を継いできたが「地域も人もつながりが薄まり、確保が難しい」。安島さんが表情を曇らせる。
 法務省仙台保護観察所によると1月1日現在、宮城県内の保護司計738人のうち60代以上が79.6%を占め、10年前に比べ約12ポイント増えた。高齢化による先細りが顕著になっている。

<やりがい感じる>
 国も手をこまねいているわけではない。同省は2016年度に保護司のインターンシップ制度を始めた。興味がある人に非行防止教室など保護司が関わる活動に加わってもらい、身近に感じてもらうのが狙いだ。
 保護司の悩みなどに対処するため08年度から整備している「サポートセンター」も、全国全ての保護司会に設置する費用を新年度予算案に計上した。同省保護局は「民間協力者は再犯防止施策に不可欠」と、支援に力を入れる考えを示す。
 仙台市太白区の和菓子店経営高橋克幸さん(46)は14年に保護司となり、3人の少年を見守ってきた。地域の保護司から誘われ続け、長女の小学校卒業を機に引き受けた。
 「自分の子と年が近く、何に興味があるか理解できるし、話しやすい。対話を重ねれば少年らも心を開く。やりがいを感じる」と言い切る。
 更生を願う保護司らの思いは、確実に受け継がれている。

<保護司>刑務所の仮出所者や少年院を仮出院した少年らの更生を支援する民間ボランティア。法相から委嘱された非常勤の国家公務員だが、給与は支給されない。面接などを通じて非行少年らの保護観察を担い「社会を明るくする運動」などにも関わる。


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2019年03月19日火曜日


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