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<となりのムスリム>仙台暮らし事情(1)礼拝場所探し一苦労

メッカに向かっての礼拝。場所の確保が悩みだ=仙台市青葉区八幡7丁目の仙台マスジド

 イスラム圏から来た人々が仙台市で増えている。礼拝や食事、言語など文化が全く異なる日本社会でイスラム教徒(ムスリム)らは悩みながらも、たくましく生きている。隣人となったムスリムの日常を追った。(報道部・坂本光)

 1月中旬の昼下がり。青葉区八幡7丁目にある市内唯一のモスク(イスラム教礼拝所)にムスリムが集まりだした。毎週金曜日恒例の集団礼拝だ。モスクの名は「仙台マスジド」。パキスタン、インドネシア、バングラデシュなど多様な国籍の約80人が、聖地メッカの方角に向かって一斉に礼拝を始めた。

<市内1ヵ所>
 仙台マスジドは市内のムスリムでつくる「仙台イスラム文化センター」が管理する。2006年に完成して以来、礼拝や交流の場所として利用されてきた。
 同センター代表の佐藤登さん(76)=青葉区=も古参のムスリムだ。学生時代から語学好きで、30代の頃に市内で開かれた無料のアラビア語講座に通ううちイスラム教に改宗した。
 苦労したのは礼拝場所の確保。「かつてはビルのテナント、マンションの一室を借りた」と話す。ムスリムが増えて部屋が手狭になったため、留学生から寄付金を募るなどして仙台マスジドの建設にこぎ着けた。
 イスラム教は1日5回の礼拝と毎週金曜の集団礼拝を義務付ける。信者は手足や顔を水で清め、清潔な場所で礼拝しなければならない。可能な限りモスクに立ち寄ることも求められる。
 仙台マスジドへ礼拝に訪れたエジプト人の留学生ウマル・アブバクルさん(23)は「モスクが遠い」と嘆く。母国では街の至る所にモスクがあったが、仙台は1カ所のみで交通アクセスも悪い。

<好奇の目に>
 日常の礼拝も不便を強いられる。街中で礼拝の時間が近づくと公園や駐車場、建物の隅などの広くて他人の邪魔にならない場所を探し、マットを敷いて礼拝する。通り掛かりの日本人から好奇の目で見られることもある。
 佐藤さんは「日本は外国人を呼ぶだけ呼んで、その後の暮らしは本人任せだ」と指摘する。とりわけ礼拝はムスリムが生活する上で欠かせない要素だ。
 名古屋市や札幌市ではムスリムの観光客に対応しようと、空港やホテルなど公共の場所で礼拝専用スペースの整備が進む。仙台空港にも昨年整えられたが、「仙台市内も続いてほしい」と佐藤さんは望む。


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2019年03月20日水曜日


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