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別離の悲哀を幸せに 仙台で里親フォーラム

これからの里親養育について思いを語る(左から)宮島氏、中川氏、ト蔵氏

 親の病気や貧困、虐待などで家族と暮らせない子どもを預かる里親養育の今後のあり方を探ろうと、宮城県は家庭養護推進フォーラムを仙台市内で開いた。県内を中心に集まった里親や児童養護施設職員、自治体関係者ら約100人が、社会全体で子どもの育ちを支える必要性を共有した。

 フォーラムは16日、宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスであった。
 日本社会事業大専門職大学院(東京)の宮島清教授が特別講演した。宮島氏は里親委託を推進する国の方針を紹介しながら、里親制度について「家庭という極めて私的な領域に、子どもを迎え入れる公的な養育であるという二重性を理解することが重要だ」と指摘。
 目指すべき里親養育について「子どもが同じ地域に住む里親に受け入れられることを前提に、週末のみの委託など児童養護施設と連携した多様なモデルをつくっていくことが大切だ」と述べた。
 宮島氏とみやぎ里親支援センターけやき(青葉区)のト蔵(ぼくら)康行センター長、県北部児童相談所(大崎市)の中川恵子所長によるトークセッションもあった。
 中川氏は、実親と定期的な面会のある子は施設入所が多く、交流のほとんどない子が里親委託となっている現状に触れ、「家庭養育推進の中、今後は実親と交流のある子の里親委託が増える。児相は、実親と里親をどうつなげていくかを考えていかなくてはならない」と課題を口にした。
 ト蔵氏は「子どもを託した実親の悲しみに寄り添う視点を持ち里親を育成していく必要があるのではないか」と会場に問い掛けた。
 宮島氏は「子どもも生みの親と暮らせない悲しみを背負ってやって来る。その前提の上で、里親は『子どもも実親も里親も、幸せになるんだ』と強い気持ちで迎えないと、希望ある将来は築けない」と語った。
 社会的養護が必要な子どもは全国で約4万5000人おり、福祉行政報告例によると昨年3月末現在、県内では乳児院と児童養護施設に350人、里親家庭に187人が暮らしている。


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2019年03月20日水曜日


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